「なかなか買い手がつかない」「何年も売りに出しているのに問い合わせすらない」という土地をお持ちではありませんか?そのような「売れない土地」には、いくつかの共通した特徴があります。
一般的に売れにくい土地には以下のような特徴があります。不整形な土地(三角形や細長い形など)、接道が狭い土地、傾斜地や高低差がある土地、北向きの土地などは建築の難しさから敬遠されがちです。また、前面道路が私道の場合や、セットバック(道路の中心線から一定距離後退して建築する義務)が必要な土地も人気がありません。
立地面では、最寄り駅から遠い、公共交通機関へのアクセスが悪い、周辺に商業施設や学校などの生活利便施設が少ないといった条件も、売れにくさの原因となります。さらに、法的制限として、市街化調整区域などの厳しい建築制限がある土地や、農地法の制限がかかる土地も売却が難しくなります。
不動産鑑定士の調査によると、一般的な不動産市場で土地が売れるまでの平均期間は約6か月ですが、これらの条件が重なる「売れない土地」の場合、2年以上経っても売れないケースが少なくありません。中には5年以上売り出したままという土地も存在します。
このような土地は従来の不動産仲介では解決しづらい理由があります。不動産仲介会社は基本的に「仲介手数料」を得ることを目的としているため、売れる見込みの高い物件を優先する傾向にあります。結果として、売れにくい土地は積極的な販売活動が行われないことも少なくありません。
また、一般の買主は住宅建設や資産運用を目的としていることが多いため、条件の良い土地を求める傾向があります。そのため、何らかの課題を抱えた土地は敬遠され、長期間売れ残ってしまうのです。
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土地買取業者とは?仲介との違いを理解する

このような「売れない土地」の問題を解決する選択肢の一つが「土地買取業者」への依頼です。土地買取業者とはどのような存在なのでしょうか。
土地買取業者は、不動産会社の一種ですが、通常の不動産仲介会社とは大きく異なる点があります。最大の違いは、通常の仲介が「売主と買主をつなぐ仲介役」であるのに対し、買取業者は「自社で直接買い取る買主」となる点です。
仕組みとしては、買取業者はあなたの土地を直接購入し、その後、自社でリノベーションや区画整理などを行い、付加価値をつけて再販売するというビジネスモデルを取っています。つまり、買取業者は「売れない土地」を「売れる土地」に変える専門家と言えるでしょう。
不動産業界のデータによると、日本全国には約3,000社以上の不動産買取業者が存在し、そのうち土地専門の買取業者は約500社程度と言われています。首都圏や関西圏に集中していますが、地方にも展開している業者は増えています。
買取業者が必要とされる理由は、一般の不動産市場では売りにくい物件でも、専門知識と経験を活かして価値を見出し、再生できるからです。例えば、不整形地を適切に区画整理したり、建築条件付きで販売したりするなど、専門的なノウハウを持っています。
また、近年では少子高齢化や人口減少に伴い、空き家や空き地が増加していることも買取業者の需要を高めています。国土交通省の調査によると、全国の空き地面積は東京都の面積に匹敵する約41万ヘクタールにも上り、これらの土地の有効活用が社会課題となっている背景もあります。
土地買取業者に依頼するメリット・デメリット

土地買取業者に依頼することには、いくつかの明確なメリットとデメリットがあります。まずはそれらを理解した上で、自分の状況に適しているかを判断しましょう。
メリット:売却の確実性とスピード
買取業者の最大のメリットは、売却の確実性とスピードです。通常の仲介販売では買い手が見つかるまで待つ必要がありますが、買取の場合は業者が直接購入するため、売却が確実に行えます。実際のデータでは、仲介販売の平均期間が約6ヶ月なのに対し、買取は最短で1週間程度での売却も可能です。
また、買取は現状のままで売却できるため、土地の整地や測量などの事前準備が省けることもメリットです。さらに、仲介手数料がかからない点も見逃せません。通常の仲介では売却価格の3〜3.6%(消費税別)の手数料が必要ですが、買取の場合はこの費用が不要です。
デメリット:売却価格の低下
一方で、大きなデメリットは売却価格が市場価格より低くなる点です。一般的に買取価格は市場価格の70〜80%程度と言われています。これは買取業者が後に再販するためのリスクや経費、利益などを考慮しているためです。
例えば、市場価格が1,000万円の土地の場合、買取価格は700〜800万円程度になる可能性があります。ただし、この差額は「早く確実に売るためのコスト」と考えることもできます。特に売れない土地の場合、仲介で売ろうとしても長期間売れずに価格を下げざるを得なくなるケースもあるため、最終的な差額はそれほど大きくならないこともあります。
どんな人に買取がおすすめか
買取が特におすすめなのは、以下のような状況の方々です。
- 売却を急いでいる方(転勤、相続税の支払い、ローン返済など)
- 確実に売却したい方(二重ローンの回避など)
- 遠方に住んでいて土地の管理や売却活動が難しい方
- 条件の悪い土地で仲介での売却が難しい方
- 相続した未活用の土地を処分したい方
特に相続した土地の場合、固定資産税や管理費などのコストがかかり続けるため、早期に売却したいケースも多いでしょう。実際、買取業者への依頼の約30%が相続関連といわれています。
買取依頼の流れ:初回相談から契約完了まで

土地買取業者への依頼から売却完了までの一般的な流れを、各ステップごとに詳しく見ていきましょう。
ステップ1:初回問い合わせと資料の提出
まずは買取業者へ電話やウェブサイトのフォームから問い合わせを行います。この際、以下の基本情報を伝えると、より具体的な話が進みやすくなります。
- 土地の所在地(住所)
- 土地の面積
- 現在の利用状況
- 所有者の情報
- 売却を考えている理由や希望時期
初回問い合わせ後、買取可能性があると判断された場合、より詳細な査定のために以下の書類の提出を求められることがあります。
- 登記簿謄本(全部事項証明書)
- 公図や測量図
- 固定資産税評価証明書
- 境界確定図(ある場合)
これらの書類がない場合でも、多くの買取業者は自社で取得してくれますので、まずは問い合わせてみることをおすすめします。
ステップ2:机上査定と現地調査
提出された資料をもとに、買取業者はまず「机上査定」を行います。これは、周辺相場や土地の法的条件などから、おおよその買取価格を算出するものです。多くの場合、1〜3営業日程度で結果が出ます。
机上査定で買取の可能性が高いと判断された場合、次は現地調査(現地査定)が行われます。実際に担当者が土地を訪れ、以下のような点を確認します。
- 土地の形状や傾斜
- 接道状況(道路との接し方)
- 周辺環境や日当たり
- インフラ(電気、ガス、水道など)の状況
- 地盤の状態
現地調査は通常30分〜1時間程度で終わります。所有者の立ち会いが必要な場合もありますが、遠方にお住まいの場合は業者だけで調査することもできます。
ステップ3:買取価格の提示と交渉
現地調査後、正式な買取価格が提示されます。買取価格には以下のような要素が考慮されています。
- 土地の面積や形状
- 立地条件(最寄駅からの距離など)
- 法的な制限(用途地域、建ぺい率、容積率など)
- 市場での需要と供給のバランス
- 再販時の利益見込み
提示された価格に納得できない場合は交渉も可能です。ただし、買取業者には一定の利益が必要なため、大幅な価格アップは難しいことが多いです。複数の業者から見積もりを取っておくと、交渉の材料になります。
ステップ4:売買契約の締結
買取価格に合意したら、売買契約を締結します。契約時には以下の書類が必要になります。
- 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- 実印
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
- 銀行の振込先情報
契約書の内容は、売買金額、決済・引き渡し日、土地の現状有姿での引き渡しなどが主な項目です。不明点があれば契約前に必ず確認しましょう。
ステップ5:決済・引き渡し
契約後、約1〜4週間程度で決済・引き渡しの日を迎えます。この日には以下の手続きが行われます。
- 買取業者からの代金支払い(通常は銀行振込)
- 所有権移転登記の手続き
- 固定資産税などの精算
- 鍵や書類の引き渡し
決済は通常、司法書士事務所や買取業者のオフィスで行われます。所有者が遠方にお住まいの場合は、委任状を使って手続きを進めることも可能です。
以上が土地買取の一般的な流れです。条件によっては最短1週間程度で売却が完了することもありますが、通常は問い合わせから決済まで2〜4週間程度かかると考えておくとよいでしょう。
買取依頼の流れ:初回相談から契約完了まで

少しでも高い価格で土地を買い取ってもらうために、以下のポイントを押さえておきましょう。
土地の価値を高める事前準備
買取価格を上げるためには、土地の状態を可能な範囲で良くしておくことが効果的です。具体的には以下のような対策が考えられます。
まず、雑草や不用品を撤去し、見た目をきれいにすることは比較的簡単にできる対策です。特に草が生い茂っていると、境界や地盤の確認が難しくなるため、査定価格に悪影響を与えます。実際のケースでは、雑草除去だけで査定額が5〜10%アップしたという例もあります。
また、可能であれば境界確定を済ませておくことも有効です。境界が不明確だと、買取業者にとってはリスク要因となり、価格が下がる原因になります。境界確定測量には10〜30万円程度の費用がかかりますが、それ以上の価格アップにつながる可能性もあります。
さらに、過去の地盤調査や土壌汚染調査の結果があれば、それらの資料も用意しておくとよいでしょう。これらの情報があることで、買取業者のリスク評価が下がり、価格アップにつながることがあります。
複数業者への相見積もり取得
最も効果的な方法の一つが、複数の買取業者から見積もりを取ることです。買取業者によって得意とする土地の種類や再販ルートが異なるため、同じ土地でも査定価格に10〜30%の差が出ることは珍しくありません。
理想的には最低3社以上から見積もりを取得することをおすすめします。大手だけでなく、地域密着型の業者も候補に入れると良いでしょう。地域に精通している業者は、その土地の潜在的な価値を見出せることがあります。
相見積もりを取る際のコツは、最初に提示された価格をすぐに受け入れないことです。「他社ではこのくらいの金額を提示されている」と伝えることで、価格交渉の余地が生まれます。
効果的な交渉のタイミングと方法
買取価格の交渉には適切なタイミングがあります。最も効果的なのは、複数の見積もりを取得した直後です。この段階で「他社からはもう少し高い金額を提示されている」と伝えることで、価格アップの可能性が高まります。
交渉の際は感情的にならず、冷静に以下のような点を伝えることが重要です。
- 他社からの具体的な見積金額
- 土地の良い点(日当たりが良い、将来的に開発が予定されている地域であるなど)
- 売却を急いでいない場合はその旨を伝える
また、価格だけでなく、決済までの期間短縮や手続きの簡略化など、条件面での交渉も視野に入れると良いでしょう。
買取価格に影響する土地の条件要素
どのような土地が高く買い取られやすいのか、主な要素を押さえておきましょう。
最も大きな影響を与えるのは「立地」です。駅や商業施設から近い、交通アクセスが良いといった条件は、やはり買取価格にプラスに働きます。次に重要なのが「法的制限」で、用途地域が住居系であることや、建ぺい率・容積率が高いことなどが有利です。
土地の「形状」も重要です。整形地で南向きであれば高評価になりやすく、反対に不整形地や北向きは評価が下がります。また、「面積」も影響し、その地域の標準的な区画サイズに近い土地は需要が高く、買取価格も上がる傾向にあります。
例えば、首都圏では40〜50坪(約132〜165㎡)程度の整形地が最も需要が高いと言われています。一方、100坪(約330㎡)を超える大きな土地は、買い手が限られるため、単価が下がることもあります。
信頼できる土地買取業者の選び方

土地買取を成功させるためには、信頼できる業者選びが不可欠です。以下のポイントを参考に、優良な買取業者を見つけましょう。
優良業者を見分けるチェックポイント
信頼できる買取業者を見分けるための主なチェックポイントは以下の通りです。
まず確認すべきは「宅地建物取引業免許」の有無です。これは法的に必須の資格であり、免許番号が表示されているか必ず確認しましょう。免許番号は「国土交通省の宅建業者情報検索サイト」で検索すれば、有効かどうかを確認できます。
次に重要なのが「実績と経験」です。買取実績が豊富な業者は、適正な価格査定と迅速な対応が期待できます。ホームページなどで実績件数や具体的な事例が紹介されているかをチェックしましょう。目安としては、年間50件以上の買取実績がある業者は経験が豊富と言えます。
また、「対応の誠実さ」も重要なポイントです。初回相談時の対応、質問への回答の丁寧さ、連絡の迅速さなどから判断できます。特に、デメリットや注意点も含めて説明してくれる業者は誠実さの表れと言えるでしょう。
さらに「査定の透明性」も確認ポイントです。買取価格の根拠を明確に説明してくれるか、査定書を発行してくれるかなどをチェックしましょう。曖昧な説明や口頭のみの見積もりには注意が必要です。
悪質業者の典型的な手口と回避方法
残念ながら不動産業界には悪質な業者も存在します。典型的な手口と回避方法を知っておきましょう。
最も警戒すべきは「おとり査定」です。これは最初に高い買取価格を提示しておきながら、契約直前になって「調査したら問題があった」などの理由で大幅に価格を下げてくる手法です。回避するには、複数の業者から見積もりを取り、相場を把握しておくことが重要です。
また、「即決を強要する」業者にも注意が必要です。「今日決めないと買取できない」「明日までの特別価格」といった言葉で焦らせようとする業者は要注意です。土地取引は大きな金額が動くものなので、慎重に検討する時間を確保しましょう。
さらに「必要のない前払い金」を要求する業者も危険信号です。正規の買取では、契約前に手数料などを要求されることはありません。前払い金を求められた場合は、取引を中止することを検討してください。
これらの悪質業者を避けるためには、「口コミや評判」を調べることが効果的です。インターネット上の口コミサイトや不動産関連のフォーラムなどで評判を確認しましょう。また、知人や親族からの紹介も信頼性の高い選択方法です。
土地買取に関するよくある質問(FAQ)

土地買取に関して多くの方が抱く疑問にお答えします。
どんな土地でも買取してもらえるの?
基本的にはどのような土地でも買取の対象となり得ますが、条件によっては買取を断られるケースもあります。特に以下のような土地は買取が難しい場合があります。
- 深刻な土壌汚染がある土地
- 境界が未確定で紛争の可能性がある土地
- 極めて特殊な形状や条件で再販が難しい土地
- 所有権以外の権利(借地権、抵当権など)が複雑に絡んでいる土地
ただし、業者によって得意分野や対応可能な条件が異なるため、一社に断られたとしても、他の業者では買取可能なケースも多くあります。まずは複数の業者に相談してみることをおすすめします。
買取価格の相場はどれくらい?
買取価格は物件によって大きく異なりますが、一般的には市場価格(仲介で売却した場合の想定価格)の70〜80%程度が相場と言われています。例えば、市場価格が1,000万円の土地であれば、買取価格は700〜800万円程度になることが多いです。
ただし、条件の悪い「売れない土地」の場合、市場価格自体が不明確なことも多く、買取価格が市場価格の50〜60%程度になることもあります。逆に、再販価値の高い優良物件では、90%近い価格が提示されることもあります。
地域別の具体的な例を挙げると、首都圏の駅徒歩10分以内の整形地では坪単価30〜100万円程度、地方都市の郊外では坪単価5〜20万円程度、過疎地域では坪単価1〜5万円程度が買取相場の目安となります。
建物付きの土地でも買取可能?
はい、建物が建っている土地でも買取は可能です。ただし、建物の状態によって対応が分かれます。
比較的新しく状態の良い建物であれば、建物付きのまま買い取られることが多いです。一方、古い建物や状態の悪い建物の場合は、解体を前提とした買取になることが一般的です。この場合、解体費用(坪あたり3〜5万円程度)が買取価格から差し引かれることが多いです。
建物付きの土地の買取では、建物の図面や建築確認済証などの資料があると、より正確な査定が可能になります。
相続した土地でも買取可能?
相続した土地でも問題なく買取可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
- 相続登記が完了していること 名義変更が済んでいない場合、買取前に相続登記を行う必要があります。多くの買取業者は相続登記のサポートも行っています。
- 共同相続の場合は全員の同意が必要 複数人で相続している場合、全員の同意と署名が必要です。
- 相続税の支払い状況 相続税が未納の場合、売却代金から支払う必要があることを考慮しましょう。
相続した土地の買取は全体の約30%を占めており、多くの買取業者はこうしたケースに慣れています。相続に関する相談にも対応してくれることが多いので、まずは相談してみることをおすすめします。
土地売却にかかる税金はどうなる?
土地を売却すると、利益(譲渡所得)に対して税金がかかります。主な税金は以下の通りです。
譲渡所得税:土地の売却で得た利益に対してかかる税金です。所有期間が5年以下の「短期譲渡」の場合は約39.6%、5年超の「長期譲渡」の場合は約20.3%の税率が適用されます。
譲渡所得の計算式は以下の通りです。 譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)
取得費とは土地を購入した金額や相続時の評価額、譲渡費用とは売却に伴う測量費用や仲介手数料などを指します。
また、居住用財産を売却した場合や特定の要件を満たす場合には、3,000万円特別控除などの特例が適用される可能性もあります。ただし、買取の場合は特例が適用されないケースもあるため、事前に税理士に相談することをおすすめします。
8. 成功事例に学ぶ!売れない土地の買取成功ポイント
実際の買取成功事例から学べるポイントを紹介します。
事例1:接道不良の土地が予想以上の価格で売却できた例
埼玉県の50坪の土地で、接道幅が2mしかなく、一般的な不動産市場では売れにくい条件でした。3年間仲介で売り出していましたが、買い手がつかず、最終的に買取業者に相談することにしました。
買取業者は、この土地が「建築条件付き」で売り出せば需要があると判断。自社で建築会社と提携し、この条件に適した建物プランを用意することで、再販の見通しを立てました。結果的に、当初予想していた買取価格よりも20%高い金額で買い取ってもらうことができました。
この事例から学べるポイントは、「買取業者の得意分野を見極めること」です。この業者は接道不良の土地を再生するノウハウを持っていたため、高い評価につながりました。
事例2:相続した山林を複数業者に見積もり依頼して高額売却
長野県の山林(約3,000坪)を相続したものの、管理が難しく売却を検討していました。最初に相談した地元の不動産会社では「売れない」と言われ、買取も最低価格でした。
しかし、諦めずに5社の買取業者に見積もりを依頼したところ、山林や農地の活用に特化した業者が見つかりました。この業者は太陽光発電事業者とのネットワークを持っており、その用途での再販を見込んで、最初の見積もりの3倍の価格で買い取ってくれました。
ここから学べるポイントは、「複数の業者に見積もりを依頼する重要性」です。特に特殊な用途が考えられる土地の場合、専門性のある業者を探すことで大きな差が出ることがあります。
事例3:書類準備と交渉で買取価格アップに成功
東京都郊外の80坪の傾斜地で、建築が難しく10年以上売れ残っていた土地でした。買取を依頼する際、所有者は以下の準備を行いました。
- 境界確定測量を実施し、明確な境界図を用意
- 過去に行った地盤調査の資料を整理
- 固定資産税評価証明書や登記簿謄本などの書類を事前に取得
最初の見積もりでは800万円でしたが、「このような準備をしていて、手間がかからない」という点をアピールし、さらに「他社からはもう少し高い金額を提示されている」と交渉した結果、最終的に880万円で買取が成立しました。約10%のアップです。
この事例から学べるポイントは、「丁寧な事前準備と交渉の重要性」です。買取業者にとって手間やリスクが少ない案件は評価が高くなりますので、できる限りの準備をしておくことが大切です。
失敗から学んだ教訓と対策
成功事例だけでなく、失敗事例からも多くのことを学べます。
ある神奈川県の土地では、最初に相談した買取業者の見積もりをすぐに受け入れてしまったため、後から「もっと高く売れたかもしれない」と後悔することになりました。実際、知人が似たような条件の土地を別の業者に15%高く買い取ってもらったことが判明したのです。
また、愛知県のケースでは、売主が買取契約の内容をしっかり確認せずに契約してしまい、後になって「引き渡し後の追加費用」(不用品の撤去費用など)を請求されてトラブルになりました。
これらの失敗から学べる教訓は以下の通りです。
- 必ず複数の業者から見積もりを取ること
- 契約内容は細部まで確認し、不明点は必ず質問すること
- 口頭での約束は必ず書面に残すこと
- 評判の良い業者を選ぶこと
特に契約内容の確認は重要で、「現状有姿での引き渡し」「引き渡し後の追加費用の有無」「決済までのスケジュール」など、細かい点まで明確にしておくことが重要です。
9. まとめ:売れない土地を手放すための3つの黄金ルール
これまでの内容をまとめると、売れない土地を買取業者に依頼して成功させるためには、以下の3つの黄金ルールが重要だと言えます。
1. 事前準備を徹底する
買取業者に依頼する前に、できる限りの準備をしておくことが重要です。具体的には以下のような準備があります。
- 土地に関する基本情報(面積、用途地域、接道状況など)を整理する
- 登記簿謄本や固定資産税評価証明書などの基本書類を準備する
- 可能であれば境界確定を済ませておく
- 土地の状態を良くしておく(雑草の除去、不用品の撤去など)
これらの準備は、買取業者にとってのリスクや手間を減らし、結果的に買取価格のアップにつながる可能性があります。
2. 複数業者からの相見積もりを必ず取る
買取価格は業者によって大きく異なるため、必ず複数の業者から見積もりを取ることが重要です。少なくとも3社以上、できれば5社程度から見積もりを取得するのが理想的です。
見積もりを比較する際は、単に価格だけでなく、以下のような点も考慮しましょう。
- 業者の信頼性や実績
- 対応の丁寧さや迅速さ
- 決済までのスケジュール
- 買取条件(現状有姿での引き渡しか、整地や撤去が必要かなど)
複数の見積もりがあることで、交渉の材料にもなりますし、市場相場の把握にもつながります。
3. 専門家のアドバイスを活用する
不動産取引は専門知識が必要な分野です。特に複雑な条件がある土地の場合は、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
- 不動産鑑定士:適正な価格の把握
- 司法書士:所有権移転など法的手続きの相談
- 税理士:売却に伴う税金対策
- 土地家屋調査士:境界確定や測量に関する相談
買取業者の中には、これらの専門家と連携しているところもあります。ワンストップでサービスを受けられる業者を選ぶと、手続きがスムーズになることが多いです。
今すぐできる具体的なアクション3つ
売れない土地の買取を検討している方に、今すぐ実行できる具体的なアクションを3つ提案します。
1. 土地の基本情報を集めて整理する
登記簿謄本(全部事項証明書)を法務局で取得し(約600円/通)、土地の正確な情報(地目、面積、権利関係など)を確認しましょう。また、固定資産税評価証明書も市区町村役場で取得しておくと(約300円/通)、買取価格の目安になります。これらの書類は買取業者への相談時に必要になりますので、事前に準備しておくと手続きがスムーズになります。
2. 複数の買取業者に一括査定を依頼する
インターネットの「土地買取一括査定サイト」を利用すれば、1回の入力で複数の業者に査定を依頼できます。無料で利用できるサービスがほとんどですので、まずは3〜5社程度に査定を依頼してみましょう。地域に特化した業者や全国展開している大手など、様々なタイプの業者に依頼することで、より幅広い選択肢が得られます。
3. 土地の状態を可能な範囲で整える
査定前に土地の状態を少しでも良くしておくことで、買取価格がアップする可能性があります。最低限、雑草の除去や不用品の撤去を行い、土地の状態が確認しやすいようにしておきましょう。また、境界杭が確認できる状態にしておくと、査定がスムーズに進みます。これらの簡単な準備だけでも、査定価格に好影響を与えることがあります。
以上の3つのアクションを実行することで、売れない土地の買取をより有利に進められる可能性が高まります。買取業者への依頼は、これまで売れなかった土地を確実に現金化する有効な手段です。適切な準備と優良業者の選定で、満足のいく結果を得られることを願っています。
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