賃貸物件を借りる時に、「緊急連絡先を記入してください」と言われたことはありませんか?多くの人が「連帯保証人と何が違うの?」「どんな時に連絡が来るの?」「もし頼める人がいなかったらどうしよう」と疑問に思うのは当然です。
実は、緊急連絡先は連帯保証人とは全く別の仕組みで、金銭的な責任も一切ありません。でも、賃貸契約では必須とされることがほとんどなので、正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、賃貸における緊急連絡先の基本的な役割から、連帯保証人との違い、そして頼める人がいない場合の具体的な解決策まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。友人や知人の緊急連絡がいなくて困っている人にとっても役立つ内容となっていますので、ご参考ください。
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そもそも賃貸の緊急連絡先とは?

緊急連絡先の基本的な役割
賃貸における緊急連絡先とは、あなたに何か緊急なことがあった時に、大家さんや管理会社が連絡を取る「第二の連絡先」のことです。普段は全く使われることがなく、本当に緊急の時だけに使われる連絡先だと考えてください。
現代では携帯電話やスマートフォンが普及しているため、基本的にはいつでもあなた本人に直接連絡することができます。しかし、電波の届かない場所にいたり、電源を切っていたり、仕事中で電話に出られなかったりする場合もあります。そんな時のために、緊急連絡先が必要なのです。
実際に緊急連絡先に連絡が入るのは、全体の1割にも満たないともいわれています。つまり、ほとんどの場合は使われることがない、本当に「万が一の時のための連絡先」なのです。
関連記事:緊急連絡先を本人と同じにする危険性|同上の使い方と書けない場合の5つの対処法
なぜ賃貸契約で緊急連絡先が必要なのか
大家さんや管理会社が緊急連絡先を求める理由は、主に安心して物件を貸すためです。もしもあなたに何かあった時に、全く連絡が取れない状況になってしまうと、適切な対応ができなくなってしまいます。
現在では、家賃の支払いに関しては保証会社という仕組みがあるため、金銭面での心配はかなり軽減されています。しかし、災害時の安否確認や日常的な建物管理については、保証会社では対応できません。そのため、緊急連絡先の重要性が高まっているのです。
保証会社の審査でも緊急連絡先は必須
最近の賃貸契約では、連帯保証人の代わりに保証会社を利用することが一般的になっています。この保証会社との契約でも、緊急連絡先の提出は必須とされることがほとんどです。
保証会社は家賃などの金銭的な保証はしてくれますが、緊急時の連絡や安否確認などは対応範囲外です。そのため、保証会社を利用する場合でも、別途緊急連絡先が必要になるのです。
緊急連絡先を記入できなければ、保証会社の審査に入ることすらできないという場合も多いので、賃貸契約において緊急連絡先は非常に重要な要素となっています。
関連記事:賃貸緊急連絡先への確認電話【いつ・何を聞かれる?】審査落ちのリスクと対策を不動産のプロが解説
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緊急連絡先と連帯保証人の違い

責任の範囲が全く違う
多くの人が混同してしまうのが、緊急連絡先と連帯保証人の違いです。この二つは、責任の範囲が全く異なる別々の制度です。
緊急連絡先の責任範囲は、あくまで「連絡を受けて、本人に伝える」ことだけです。家賃を払う義務も、何かの責任を取る義務も一切ありません。法律上も、緊急連絡先には何の義務も発生しないのです。
一方、連帯保証人の責任範囲は、契約者本人と全く同じです。家賃を滞納すれば連帯保証人が支払う義務がありますし、部屋を汚してしまった場合の修理費用なども、連帯保証人に請求される可能性があります。
具体的な例で説明すると、息子さんが入居者で親が連帯保証人になった場合、息子さんが家賃を滞納したら、親が滞納したのと全く同じ扱いになります。大家さんは息子さんより先に親に督促することもできるのです。しかし、緊急連絡先であれば、家賃の催促があったとしても「息子に連絡してください」と伝えるだけで十分です。
審査の厳しさも大きく異なる
連帯保証人になるためには、厳しい審査があります。年収や勤務先の確認はもちろん、契約者本人と同等かそれ以上の収入がないと認められないことも多いです。
しかし、緊急連絡先については、基本的に審査はありません。年収や勤務先を確認されることもほとんどなく、仕事をしていない人でも緊急連絡先になることができます。
提出書類の違い
連帯保証人の場合は、印鑑証明書、収入証明書、身分証明書など、多くの書類提出が必要です。しかし、緊急連絡先の場合は、基本的に名前、住所、電話番号を記入するだけで十分です。
印鑑も必要ありませんし、身分証明書の提出を求められることもほとんどありません。これも、緊急連絡先が「連絡を取るためだけの存在」だからです。
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実際にどんな時に緊急連絡先に連絡が来るの?

緊急性の高いケース
緊急連絡先に連絡が来る可能性が最も高いのは、本当に緊急事態が発生した時です。
火災や地震などの災害時には、まずあなたの携帯電話に安否確認の連絡が入ります。しかし、もし連絡が取れない場合は、緊急連絡先に「○○さんの安全を確認したいのですが、連絡は取れますか?」という電話がかかってきます。
建物内での事件や事故が発生した場合も同様です。例えば、泥棒が入ったことが判明して警察の捜査に協力が必要な時や、隣の部屋で火災が起きて消火活動が必要な時などは、緊急連絡先に連絡が入る可能性があります。
水漏れなどの建物トラブルも、緊急性が高いケースです。あなたの部屋の上下で水漏れが発生している場合、原因を調べるために急いで部屋の状況を確認する必要があります。本人と連絡が取れなければ、緊急連絡先に「至急○○さんに連絡を取ってもらえますか?」という電話がかかってくることがあります。
本人と連絡が取れないケース
緊急性はそれほど高くないものの、何度連絡しても本人からの返事がない場合にも、緊急連絡先に連絡が入ることがあります。
家賃滞納で本人が無視し続けている場合は、最終的に緊急連絡先に連絡が来る可能性があります。ただし、現在は保証会社が家賃を立て替えるシステムがあるため、以前ほど多くはありません。また、緊急連絡先の人が家賃を払う必要は全くありません。
契約更新の書類が返送されない場合も、緊急連絡先に連絡が入ることがあります。契約期間が迫っているのに更新書類が戻ってこないと、管理会社は非常に困ってしまいます。
近隣トラブルの対応が必要な場合も考えられます。騒音や生活マナーについて近隣から苦情が寄せられているのに、本人と連絡が取れない場合は、緊急連絡先に状況を伝えることがあります。
建物の工事や点検で立ち入りが必要な時にも、緊急連絡先が使われることがあります。給排水設備の点検や建物の修繕工事など、どうしても部屋に入る必要がある場合に、本人と連絡が取れないと緊急連絡先に協力をお願いすることがあります。
連絡が来る頻度の実態
500件以上の賃貸契約を扱ってきた不動産会社の営業担当者によると、実際に緊急連絡先に連絡が入るのは全体の1割にも満たないそうです。
普通に家賃を払って、近隣に迷惑をかけず、管理会社からの連絡にきちんと対応していれば、緊急連絡先に連絡が来ることはほとんどありません。本人と連絡が取れる限り、緊急連絡先が使われることはないのです。
また、連絡が入る時は事前に「近々緊急連絡先に確認の電話をするかもしれません」と教えてくれることも多いので、突然の連絡で慌てることもそれほどありません。
緊急連絡先に指定できる人

理想的な緊急連絡先
緊急連絡先として最も適しているのは、やはり家族や親族です。両親、兄弟姉妹、配偶者、祖父母などが一般的です。
2親等以内の親族が理想的とされることが多いですが、これは絶対的な条件ではありません。大切なのは、緊急時にあなたと連絡が取れる可能性が高い人かどうかです。
家族の中でも、普段からよく連絡を取り合っている人を選ぶことが重要です。疎遠になっている親族よりも、頻繁に連絡を取り合っている兄弟姉妹の方が、緊急連絡先としては適しています。
友人や知人でも大丈夫な場合
最近では、友人や知人を緊急連絡先にすることも認められるケースが増えています。特に単身高齢者や身寄りのない方が増えているため、保証会社や管理会社も柔軟に対応してくれるようになりました。
長期的に連絡が取れる信頼できる友人であれば、緊急連絡先として認められることが多いです。学生時代からの友人、職場の同僚、趣味仲間など、これからも良い関係が続きそうな人を選ぶことが大切です。
勤務先の上司や同僚も、緊急連絡先として認められる場合があります。特に、長年同じ会社で働いている場合は、会社の連絡先を緊急連絡先にできることもあります。
ただし、保証会社によっては友人や知人を認めない場合もあるので、事前に不動産会社の担当者に相談してみることをおすすめします。
緊急連絡先として認められにくい人
一方で、緊急連絡先として認められにくい人もいます。
高齢者で連絡が困難な方は、緊急連絡先として適さないとされることがあります。耳が遠くて電話での会話が難しい場合や、認知症の症状がある場合などは、緊急時の対応が困難だと判断されてしまいます。
未成年者も、社会的経験が少ないため緊急連絡先として認められないことが多いです。
日本語でのコミュニケーションが困難な方も、緊急時のスムーズな連絡に支障が出る可能性があるため、避けた方が良いでしょう。
同居予定の人については、判断が分かれます。同じ場所に住んでいると、災害などで一緒に被害を受ける可能性があるため、緊急連絡先としては適さないと考える管理会社もあります。
緊急連絡先のトラブル事例については以下の記事でも詳しく解説していますのでご参考ください。→賃貸の緊急連絡先トラブルとは?|虚偽記載のリスクと代行サービス活用について徹底解説!
複数人での申請も効果的
一人だけでは心配な場合は、複数の人を緊急連絡先として申請することも可能です。第一緊急連絡先、第二緊急連絡先として、2〜3人を登録しておくこともできます。
実際に、疎遠な親族1人よりも、親しい友人2人を緊急連絡先にした方が、管理会社に安心してもらえることもあります。複数人いることで、確実に連絡が取れる可能性が高まるからです。
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緊急連絡先がいない場合の5つの対処法

役所や自治体への相談(無料)
緊急連絡先を頼める人がいない場合、まず最初に試してほしいのが、お住まいの地域の役所に相談することです。
高齢者、障がい者、生活保護受給者の方は、担当の職員やケースワーワーが緊急連絡先を引き受けてくれる場合があります。生活全般のサポートの一環として、緊急連絡先の役割も担ってくれるのです。
社会福祉協議会も非常に頼りになります。例えば、東京都江戸川区の社会福祉協議会では、「おひとり様支援事業」という名前で、緊急連絡先になって見守りを行うサービスを提供しています。
お住まいの地域にも、似たようなサービスがある可能性が高いので、一度役所の窓口で相談してみることをおすすめします。
関連記事:緊急連絡先がない方必見!社会福祉協議会の代行サービス利用方法と料金を徹底解説!
居住支援法人への相談(有料)
国土交通省が指定している「居住支援法人」に相談するのも、有効な方法です。居住支援法人は、住宅の確保が必要な人に対して、賃貸住宅への入居を支援する団体です。
都道府県が指定している団体なので、安心して利用することができます。緊急連絡先の代行だけでなく、入居後の生活サポートなども行ってくれる場合があります。
費用は団体によって異なりますが、公的な性格を持った団体なので、民間の代行サービスよりも安価で利用できることが多いです。
代行サービス会社の利用(有料)
最近では、緊急連絡先の代行を専門に行う会社が増えています。これらの会社は、個人ではなく法人として緊急連絡先を引き受けてくれるため、信頼性が高いのが特徴です。
費用の相場は、年間1万円から2万円程度です。初回の登録料として5,000円から1万円程度が別途必要な場合が多いですが、全体的にはそれほど高額ではありません。
信頼できる代行会社を選ぶポイントは以下の通りです。まず、会社の所在地がはっきりしていて、実際に事務所があることを確認してください。ホームページだけでなく、可能であれば直接訪問して話を聞くことをおすすめします。
運営者の資格や経歴も重要です。行政書士や弁護士など、きちんとした資格を持った人が運営している会社は安心できます。
利用者の口コミや評判も参考になります。インターネットで会社名を検索して、実際に利用した人の感想を調べてみてください。
専門家への依頼(有料)
行政書士事務所や弁護士事務所に、緊急連絡先の代行をお願いすることもできます。
行政書士事務所の場合、費用は年間1万円から2万円程度が相場です。行政書士は契約書類の作成や手続きの専門家なので、賃貸契約に関することも詳しく知っています。
弁護士事務所の場合、費用は年間8万円から10万円程度と高めですが、法律の専門家なので安心感があります。
専門家に依頼するメリットは、何といっても社会的な信頼性の高さです。大家さんや管理会社も、専門家が緊急連絡先になっていると安心してくれます。
緊急連絡先不要物件の検索
最後の選択肢として、緊急連絡先が不要な物件を探すという方法もあります。
UR賃貸住宅などの公的な住宅では、緊急連絡先の要件が緩和されていることがあります。UR賃貸住宅は礼金や仲介手数料が不要で、保証人も原則不要という特徴があります。
一部の民間賃貸物件でも、緊急連絡先不要としている場合があります。ただし、そうした物件は数が限られているため、希望する地域や条件に合う物件を見つけるのに時間がかかる可能性があります。
不動産会社の代行サービスを利用するという方法もあります。一部の不動産会社では、緊急連絡先の代行サービスをオプションで提供しています。
緊急連絡先がいない場合の対処法については以下の記事でも解説していますので、ご参考ください。
参考記事:賃貸で緊急連絡先がいない人必見!解決策と代行サービスの費用相場を徹底解説!
緊急連絡先をお願いする時のコツ

相手への説明のポイント
友人や知人に緊急連絡先をお願いする時は、正しい情報を伝えることが大切です。
まず、金銭的責任が一切ないことをはっきりと説明してください。「家賃を払えなくても、代わりに支払ってもらう必要はない」「何か責任を取ってもらうことはない」ということを、明確に伝えましょう。
次に、連絡が来る頻度は非常に稀であることも説明してください。普通に生活していれば、緊急連絡先に連絡が来ることはほとんどありません。
緊急時の連絡取次のみの役割であることも、きちんと伝えておきましょう。何か特別な対応をしてもらう必要はなく、連絡があったら本人に伝えてもらうだけで十分です。
お願いの仕方とタイミング
緊急連絡先のお願いは、早めの相談が成功のカギです。引っ越しの直前になって慌ててお願いするのではなく、時間に余裕を持って相談することが大切です。
具体的な責任範囲を文書で示すことも効果的です。口頭での説明だけでなく、緊急連絡先の役割について書かれた資料を渡すことで、相手に安心してもらえます。
感謝の気持ちを込めた依頼も忘れずに。相手にとってはメリットのないお願いなので、心からの感謝の気持ちを伝えることが大切です。
よくある質問と回答

ここからは賃貸の緊急連絡先についてよくある質問に回答していきます。
審査や手続きに関する疑問
- 緊急連絡先の審査はありますか?
基本的に審査はありません。年収や勤務先を確認されることもほとんどなく、名前、住所、電話番号を記入するだけで十分です。ただし、不動産会社によっては簡単な確認を行う場合もあります。
- 後から変更することは可能ですか?
はい、いつでも変更可能です。管理会社に連絡すれば、手続きを行ってもらえます。友人と疎遠になった場合や、代行サービスに変更したい場合など、必要に応じて変更してください。
- 必要な書類は何ですか?
基本的に特別な書類は必要ありません。入居申込書の緊急連絡先欄に記入するだけで十分です。印鑑や身分証明書の提出を求められることもほとんどありません。
責任や義務に関する疑問
- 家賃を払う義務はありますか?
全くありません。緊急連絡先には金銭的な責任は一切発生しません。家賃の催促があったとしても、本人に連絡を取ってもらうだけで十分です。
- 連絡を無視しても大丈夫ですか?
法律上の罰則はありませんが、緊急時の連絡の可能性もあるので、できる限り対応することをおすすめします。ただし、過度な連絡や不適切な内容の場合は、管理会社に相談してください。
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まとめ
賃貸における緊急連絡先は、連絡取次のみの役割を持つ重要な制度です。連帯保証人とは全く別の仕組みで、金銭的な責任は一切ありません。
実際に連絡が来ることは稀ですが、災害時の安否確認や緊急事態への対応のために必要とされています。頼める人がいない場合でも、役所への相談から代行サービスの利用まで、必ず解決策があります。
大切なのは、早めの準備と正しい理解です。この記事で紹介した情報を参考に、あなたに最適な緊急連絡先を確保して、安心できる賃貸生活を始めてください。
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