遺言書を作成したいけれど、自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選べばよいか迷っていませんか?どちらも有効な遺言書ですが、作成方法や費用、手続きの流れが大きく異なります。法改正や新制度により選択肢も増えているため、違いを正しく理解して最適な方法を選ぶことが重要です。
この記事では、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを詳しく解説し、あなたの状況に最適な遺言書の選び方をお伝えします。2026年最新の制度改正情報や具体的な費用相場も含めて、わかりやすくご説明していきます。
自筆証書遺言 公正証書遺言 違いとは?基本的な定義と特徴

自筆証書遺言の基本的な仕組み
自筆証書遺言は、遺言者がその全文、日付、氏名を自筆で書き、押印して作成する遺言書です。最も手軽に作成できる遺言書として多くの方に利用されています。
2019年1月からは財産目録について自筆でなくても良いという法改正が行われ、パソコンで作成した財産目録や不動産の登記事項証明書、通帳のコピーなども添付できるようになりました。ただし、財産目録の各ページには署名と押印が必要です。
また、2020年7月10日から自筆証書遺言書保管制度が開始され、法務局で遺言書を保管できるようになりました。この制度を利用することで、紛失や改ざんのリスクを大幅に減らすことができます。
公正証書遺言の仕組みと特徴
公正証書遺言は、遺言者が公証人の面前で遺言の内容を口頭で伝え、公証人がこれを筆記して作成する遺言書です。法律の専門家である公証人が関与するため、法的に有効で確実性が非常に高いのが特徴です。
作成時には証人2名の立ち会いが必要で、原本は公証役場で保管されます。そのため紛失や改ざんの心配がなく、相続開始後の家庭裁判所での検認手続きも不要です。
2025年中には公正証書遺言のデジタル化が決定されており、今後はより便利に利用できるようになる予定です。
2026年最新の制度動向
法務省では、自筆証書遺言のデジタル化(デジタル遺言)に向けた検討が進められています。東京法務局本局において、2025年3月10日からオンライン手続きの試行が開始されるなど、遺言書作成の利便性向上に向けた取り組みが活発化しています。
また、自筆証書遺言書保管制度の利用者数は着実に増加しており、2024年の年間保管申請件数は23,419件と、制度開始後初めて2万件を超えました。
作成方法と手続きの流れ比較

自筆証書遺言の作成手順
自筆証書遺言の作成は比較的シンプルです。まず、遺言の全文を自分の手で書きます。パソコンやワープロでの作成は無効となるため注意が必要です。
次に、作成年月日を正確に記載します。「令和6年3月吉日」のような曖昧な日付では無効になってしまいます。最後に、自分の氏名を自筆で書き、印鑑を押して完成です。
法務局の保管制度を利用する場合は、本人が法務局に出向いて申請を行います。保管申請には本人確認書類と住民票が必要で、手数料として1件あたり3,900円がかかります。
公正証書遺言の作成プロセス
公正証書遺言の作成は、まず公証役場への事前相談から始まります。遺言の内容や必要書類について公証人と打ち合わせを行い、作成日時を予約します。
作成当日は、遺言者と証人2名が公証役場に出向きます。遺言者が口頭で遺言の内容を伝え、公証人がそれを筆記します。内容に間違いがないことを確認した後、遺言者、証人、公証人が署名・押印して完成です。
証人には利害関係のない第三者を選ぶ必要があり、推定相続人やその配偶者、直系血族は証人になることができません。適当な証人が見つからない場合は、公証役場で紹介してもらうことも可能です。
必要書類と準備期間
自筆証書遺言の場合、特別な書類は必要ありません。ただし、法務局の保管制度を利用する際は、本人確認書類と住民票の写しが必要です。
公正証書遺言では、遺言者の印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票の写し、財産に関する資料(不動産の登記事項証明書、固定資産評価証明書、預貯金の残高証明書など)、相続人の戸籍謄本などが必要です。準備期間は通常2週間から1ヶ月程度を要します。
費用・相場の詳細比較

自筆証書遺言にかかる費用
自筆証書遺言の作成費用は基本的に無料です。用紙代や筆記具代を含めても数千円程度で済みます。
法務局での保管制度を利用する場合は、1件あたり3,900円の手数料がかかります。また、専門家に内容をチェックしてもらう場合は、約3万円程度が相場です。
全体として、自筆証書遺言は5万円以下で作成できることが多く、費用面では大きなメリットがあります。
公正証書遺言の費用詳細
公正証書遺言の費用は、主に公証人手数料、証人謝礼、必要書類の取得費用に分かれます。
公証人手数料は遺産額に応じて変動し、遺産総額が1000万円から1億円程度の場合、5万円から10万円前後が相場です。証人2名への謝礼は、1人あたり数千円から2万円程度が一般的です。
必要書類の取得費用として数千円から1万円程度、専門家(弁護士、行政書士)へ依頼する場合は10万円から30万円程度かかります。遺産総額が大きく内容が複雑な場合は50万円以上になることもあります。
コストパフォーマンスの考え方
費用だけを見ると自筆証書遺言が圧倒的に安価ですが、確実性や手続きの簡便性を考慮すると、公正証書遺言のコストパフォーマンスも決して悪くありません。
相続トラブルが発生した場合の弁護士費用や、無効になった場合の損失を考えると、公正証書遺言への投資は十分に価値があると言えるでしょう。
メリット・デメリットと選び方のポイント

自筆証書遺言のメリットとリスク
自筆証書遺言の最大のメリットは、手軽に作成できることです。思い立ったときにすぐに書くことができ、費用もほとんどかかりません。また、遺言の内容を秘密にできるため、プライバシーを重視する方には適しています。
一方で、形式不備による無効のリスクがあります。日付、署名、押印のいずれかが漏れていると無効になってしまいます。また、相続人による遺言書の隠匿や無視のリスクも存在します。
保管制度を利用しない場合は、紛失や改ざんの恐れもあります。実際に、相続手続きをしない間に相続人が亡くなり、相続人が10名以上に増えてしまったという事例も報告されています。
公正証書遺言の安全性と制約
公正証書遺言は、公証人が作成するため法的な有効性が高く、形式不備で無効になるリスクがほとんどありません。原本が公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの心配もありません。
また、家庭裁判所での検認が不要なため、相続開始後の手続きがスムーズに進みます。これは相続人にとって大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、作成に手間と時間がかかり、証人2名の立ち会いが必要という制約があります。また、公証人や証人の前で遺言内容を話す必要があるため、完全な秘密保持は困難です。
あなたに最適な遺言書の選び方
確実性を重視し、相続財産が多い場合や相続関係が複雑な場合は、公正証書遺言がおすすめです。一方、費用を抑えたい場合や、シンプルな相続関係の場合は、自筆証書遺言(保管制度利用)が適しています。
まとめ:最適な遺言書作成方法を選択しよう

自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについて詳しく解説してきました。自筆証書遺言は手軽で費用が安い一方、公正証書遺言は確実性が高く安全性に優れています。
2026年最新の情報では、自筆証書遺言書保管制度の利用者数が着実に増加し、デジタル化の検討も進んでいます。また、公正証書遺言の作成件数も年間12万件を超えるなど、遺言書への関心が高まっています。
私たちがお伝えした情報を参考に、あなたの状況に最適な遺言書作成方法を選択してください。どちらを選ぶにしても、専門家への相談を検討することをおすすめします。遺言書は大切な家族への最後のメッセージです。しっかりと準備して、安心できる相続対策を進めていきましょう。


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