念願の内定を勝ち取った後、入社書類に記載された「身元保証人2名(別世帯の者)」という条件を見て、立ち尽くしてしまった方は少なくありません。
「両親が他界している」「親戚と疎遠」「友人に金銭的な責任が伴う保証人は頼みづらい」――。
今の日本では、核家族化や単身世帯の増加により、身元保証人を2名揃えることが物理的に不可能なケースが急増しています。しかし、安心してください。身元保証人が一人しかいないことだけを理由に内定を取り消すことは、法的に極めてハードルが高いのです。
本記事では、身元保証人・緊急連絡先代行サービスの代表を務める筆者が、採用実務の現場で見てきた「企業の本音」と、内定を死守するための具体的な「解決ステップ」を、どこよりも詳しく解説します。
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なぜ会社は身元保証人を「2人」求めてくるのか?

まずは敵(ルール)を知ることから始めましょう。なぜ1人では不十分で、あえて「2人」という条件を付ける企業があるのでしょうか。
リスク分散の観点(一人がダメならもう一人)
企業が身元保証人を求める最大の理由は、従業員が会社に多大な損害(横領や過失による破壊など)を与えた際の「賠償の担保」です。
一人が高齢であったり、支払い能力が低かったりする場合、もしもの時に回収できないリスクがあります。そのため、リスクを分散させるために「2人(できれば別世帯)」を求めるのが、古い体質の企業や、現金・機密情報を扱う企業の慣習となっています。
本人の「社会性」の確認
[編集部見解] 実務の現場では、賠償能力以上に「いざという時に頼れる人間が周囲に2人もいるか」という、本人の社会性や人間関係をチェックするリトマス試験紙として機能している側面があります。しかし、これは現代の家族観とはズレが生じているのも事実です。
身元保証人が一人しかいないと「内定取消」になるのか?

結論から言えば、「一人しかいないから即取り消し」は法律上、極めて難しいと言えます。
[事実] 解約権留保の濫用
一度出した内定(始期付解約権留保付労働契約)を取り消すには、「客観的に合理的で、社会通念上相当と認められる理由」が必要です。
「身寄りがない」「親戚が少ない」といった、本人の努力や能力ではどうにもならない個人的な背景を理由に内定を白紙にすることは、裁判になれば「解雇権(解約権)の濫用」とみなされる可能性が極めて高いです。
関連記事:就職の身元保証人は違法!?内定取消リスクと頼める人がいない時の対処法を徹底解説!
[実務視点] 会社が内定取消を躊躇する理由
企業側も採用には多大なコスト(広告費や面接時間)をかけています。優秀な人材を「書類の形式」だけで不採用にし、SNSでの炎上リスクや法的トラブルを抱えることは、賢い経営判断とは言えません。そのため、実際には「相談すれば1人で受理される」ケースがほとんどです。
関連記事:身元保証人がいないと内定取り消し!?「就職できない」を防ぐ全手法
身元保証人が一人しかいない時の「4つの具体的解決策」

一人しかいない状況で、無理に嘘をついたり(代筆など)、偽装したりするのは厳禁です。以下のステップで誠実に対応しましょう。
① 家族以外(友人・知人)にお願いする
身元保証人は、法律上「親族でなければならない」という決まりはありません。
もし会社が「親族2名」と指定していても、事情を話せば「友人1名+親族1名」で認められることが多いです。ただし、友人にお願いする場合は後述する「極度額(上限額)」の説明をしっかり行うことが、関係を壊さないコツです。
極度額がなければそもそも契約は無効ですが、一般の人からすれば「極度額がないから多額の請求をされたら自己破産になるかもしれない」と思う人も少なくありません。
また、極度額が多い場合はそれはそれで警戒されてしまいます。どうしても友人や知人が難しい場合は代行会社の利用も検討しましょう。
② 会社に正直に相談し「1名」で納得してもらう
最も成功率が高いのがこの方法です。
「親族が少なく、別世帯で保証能力のある者が一人しかおりません。もう一人の代わりに、住民票や印鑑証明を多めに提出する、あるいは緊急連絡先として友人を登録することでご容赦いただけないでしょうか」と打診します。
③ 身元保証人代行サービスを利用する
どうしても2人目が用意できない場合、私たちのような「身元保証代行会社」を利用する手があります。
- 費用相場: 入社時の保証であれば、2年〜5年契約で2万円〜5万円程度が一般的です。
- メリット: プロの法人が2人目として記名・捺印するため、企業の信頼を得やすい。
身元保証人代行会社によってサービス内容や料金は異なります。詳しくは以下の記事で解説していますので、自分に合った会社を選びましょう。
関連記事:身元保証人代行おすすめ比較ランキング!安いだけで選ぶ危険性と怪しい会社を回避する条件を徹底解説!
④ 「身元保証保険」の利用を提案する
一部の企業では、従業員が起こした損害を保険でカバーする仕組みを導入しています。自分から「保証人が一人しかいないため、不足分をカバーできるような保険や預託金(身元保証金)の制度はございませんか?」と提案するのも、意識の高い応募者と見なされることがあります。
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会社に相談する際の「交渉メール例文」と伝え方

人事に伝える際は「入社意欲は非常に高いが、物理的に困難である」というスタンスを崩さないことが重要です。
【メール例文】一人しか用意できない場合の相談
件名:入職手続きにおける身元保証人のご相談(氏名)
株式会社〇〇
人事担当者様
お世話になっております。内定をいただきました〇〇です。
この度は入社に向けて詳細なご案内をいただき、誠にありがとうございます。
提出書類の「身元保証書」について1点ご相談がございます。
規定では2名と承っておりますが、誠に恐縮ながら、私の親族は高齢者が多く、
また別世帯の親族が極めて少ない事情から、現時点で保証人を引き受けられる者が
父(または母)の一人のみという状況でございます。
つきましては、以下のいずれかのご対応をご検討いただくことは可能でしょうか。
- 身元保証人を一人とし、不足分を「緊急連絡先(友人等)」の登録で代替する
- 民間の身元保証代行サービスを利用し、2人目を補完する
私といたしましては、貴社にて業務に邁進する決意に変わりはございません。
お手数をおかけいたしますが、ご指示をいただけますと幸いです。
知らないと損!2020年民法改正があなたを救う

2020年4月の民法改正により、身元保証のルールは劇的に変わりました。これは、2人目を探す際、あるいは1人で済ませるための強い交渉材料になります。
極度額(上限額)の義務化
[事実] 現在の法律では、身元保証契約に**「極度額(賠償する最大金額)」を明記しなければ、その契約自体が無効**となります。
これを知っていると、2人目をお願いする友人に対し「最大でも〇万円までしか責任は発生しないことが法律で決まっている」と説明できます。また、会社に対しても「上限設定がある以上、一人でも十分な担保になりませんか?」と論理的に交渉が可能です。
比較表:保証人が足りない時の対処法メリット・デメリット
| 対処法 | 難易度 | コスト | 会社への印象 | プロの推奨度 |
| 正直に会社へ相談 | 低 | 0円 | 誠実・誠実 | ◎(まずこれ) |
| 友人・知人に依頼 | 中 | 0円 | 普通 | ◯(信頼関係次第) |
| 代行サービス利用 | 中 | 2〜5万円 | 普通〜良好 | ◎(確実性が高い) |
| 別世帯の親戚を探す | 高 | 0円 | 普通 | △(関係性による) |
| 【厳禁】代筆・偽造 | 極高 | 0円 | 最悪(解雇対象) | ××(絶対NG) |
よくある質問(FAQ)

ここからは身元保証人が一人しかいないについてよくある質問について回答します。
- 家族以外(友人)を立てる際、会社にバレますか?
基本的にバレます。身元保証書には住所や続柄を記載するため、「友人」や「知人」と書けば分かります。しかし、友人不可と募集要項にない限り、法的には有効です。
- 2人いないことで、入社後に差別されたりしませんか?2人いないことで、入社後に差別されたりしませんか?
現代のまともな企業であれば、家庭環境を理由に差別することはありません。むしろ、早めに正直に相談することで「トラブルを隠さず報告できる人」という評価につながることもあります。
- 「一人しかいない」という理由で内定取り消しと言われたら?
その場合は、労働局の総合労働相談コーナーや弁護士に相談してください。法的には不当な取り消しである可能性が極めて高いです。ただ、そのような硬直的な対応をする会社は、入社後も苦労するブラック企業の兆候かもしれません。
- 親が年金受給者でも「1人目」として認められますか?
なります。ただし、会社側が「一定以上の年収があること」を条件にしている場合は、預貯金の証明などを求められることがあります。
- 別世帯の兄弟は「2人目」になれますか?
最適な候補です。たとえ未婚であっても、住所が異なれば「別世帯の親族」として受理されるケースが最も多いです。
まとめ:一人しかいない不安を「誠実な交渉」に変える

身元保証人が一人しかいないことは、決してあなたの能力不足ではありません。時代の変化に伴う「物理的な事情」に過ぎません。
- まずは落ち着いて、一人でも引き受けてくれる人がいることに感謝する。
- 会社には隠さず、正直に「現状」を相談する。
- 不足分は「緊急連絡先」や「代行サービス」で補完する代替案を提示する。
このステップを踏めば、ほとんどのケースで無事に入社を迎えることができます。あなたが新しい職場で素晴らしいスタートを切れるよう、心から応援しています。
- 法務省:民法(債権法)改正に関する特設ページ(極度額の法的根拠)
- 厚生労働省:労働契約の締結、維持及び終了に関するルール(内定取消の有効性)


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