親から相続した不動産を兄弟で共有することになった、あるいはこれから相続予定の実家をどうするか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。「仲の良い兄弟だから大丈夫」と思っていても、不動産の共有状態は思わぬトラブルの原因になることがあります。
この記事では、兄弟間での不動産共有持分がなぜ危険なのか、どのようなリスクがあるのか、そしてトラブルを回避するためにはどうすればいいのかを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
相続や不動産に詳しくない方でも、この記事を読めば共有持分のリスクと対策がしっかり理解できるでしょう。
共有持分の不動産を高く売るために一番重要なのは、複数の会社に相談することです。一つの会社だけだと、不動産の相場だけではなく、相性や強みもわかりません。以下の記事で共有持分が得意な不動産会社を厳選しましたのでご参考ください。
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はじめに:兄弟で不動産を共有すると危険な理由

「うちは兄弟仲がいいから、実家は共有名義で持っていても問題ないだろう」と考えていませんか?実は、どんなに仲の良い兄弟でも、不動産の共有状態が続くとトラブルになるリスクが高まります。
共有持分とは何か?初心者向け基本解説
まず「共有持分」とは何かを簡単に説明しましょう。共有持分とは、一つの不動産を複数の人が共同で所有している場合、それぞれが持っている所有権の割合のことです。
例えば、兄と弟で親の家を相続し、それぞれが2分の1ずつの権利を持つとします。この「2分の1の権利」が共有持分です。重要なのは、これは物理的に家の半分ずつを所有するわけではなく、家全体に対する権利の割合を示すということです。
共有持分は主に次のような場合に発生します:
- 兄弟で親の不動産を相続した場合
- 夫婦で共同購入した不動産
- 複数人で投資用不動産を購入した場合
なぜ兄弟間で不動産を共有するとトラブルになりやすいのか
兄弟間で不動産を共有するとトラブルになりやすい理由は、主に以下の点にあります:
意思決定の難しさ:不動産の売却や大規模なリフォームなどの重要な決断には、共有者全員の同意が必要です。兄弟の間で意見が分かれると、不動産の活用方法で行き詰まってしまいます。
経済状況の違い:兄弟それぞれの経済状況は異なります。ある兄弟は売却して現金化したいと思う一方、別の兄弟は思い出の家を残したいと考えるかもしれません。このような価値観の違いが対立を生むのです。
時間の経過による変化:最初は問題なく共有していても、結婚、転勤、経済状況の変化など、兄弟の生活環境は時間とともに変わります。そうした変化が不動産の扱いに関する意見の相違を生み出します。
相続の連鎖:兄弟の誰かが亡くなると、その人の持分は子や配偶者に相続されます。こうして共有者が増え続け、より複雑な状況になってしまいます。
このように、兄弟間の共有持分は、はじめは問題なくても、時間の経過とともにリスクが高まるのです。次のセクションでは、具体的にどのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。
兄弟間の共有持分で発生する5つのリスク

兄弟間で不動産を共有することには、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。ここでは5つの主要なリスクについて説明します。
リスク①:不動産の活用や処分に制限がかかる
例えば、3人兄弟で相続した実家があり、2人は売却したいと考えていても、1人が「思い出の家だから売りたくない」と反対すれば、売却はできません。また、銀行融資を受ける際にも共有者全員の同意が必要で、手続きが複雑になります。
こうした制限により、不動産の有効活用が難しくなり、資産価値が下がってしまうこともあります。「塩漬け不動産」という言葉があるように、活用できない状態で放置されることも少なくありません。
リスク②:固定資産税の支払いトラブル
不動産を所有すると毎年固定資産税を支払う必要がありますが、共有不動産の場合、法律上は持分に応じた負担が原則です。しかし、市区町村からの納税通知書は共有者の代表者1人にしか送られてこないため、代表者がいったん全額支払い、後から他の共有者に請求するという流れになります。
ここで問題が生じることがあります。例えば、兄が代表者として全額支払ったのに、弟が「今はお金がない」と自分の負担分を支払わない場合、兄は弟の分まで負担することになります。このような事態が続くと、兄弟間の信頼関係が崩れ、深刻なトラブルに発展することも少なくありません。
実際のケースでは、固定資産税の未払いが5年以上続き、100万円以上の負債が生じた例もあります。また、固定資産税が支払われないままだと、最終的には不動産全体が差し押さえられるリスクもあるため、代表者にとって大きな負担となります。
リスク③:維持管理費用の負担問題
不動産を所有すると、固定資産税以外にも様々な維持管理費用がかかります。例えば、建物の修繕費、庭の手入れ、空き家の管理費などです。
これらの費用についても、持分に応じた負担が原則ですが、実際には「誰が支払うのか」「いくら支払うのか」といった点で意見が割れることがあります。特に、一方の兄弟が実家の近くに住んでいて日常的な管理をしている場合、その労力の評価をめぐっても対立が生じやすいのです。
「屋根の修理に50万円かかるが負担割合は?」「庭の手入れは誰がする?その労力はどう評価する?」といった問題が次々と発生し、兄弟間の溝が深まることもあります。
さらに、空き家の場合は防犯上の問題も発生します。定期的な見回りや清掃が必要ですが、遠方に住む兄弟にはこうした管理が難しく、結果として近くに住む兄弟に負担が集中することもあります。国交省によると、空き家の年間管理費用は平均で約5万円かかるとされています。
リスク④:相続が繰り返されると共有者が増え続ける
時間が経つにつれて最も深刻になるのが、共有者の増加問題です。例えば、最初は兄弟2人で共有していた不動産も、どちらかが亡くなるとその持分は子どもたちに相続されます。
兄が亡くなり、兄に3人の子どもがいれば、その持分は3人の子どもに分割されます。つまり、もともと2人だった共有者が4人(弟1人+兄の子3人)に増えるのです。さらにその子どもたちが亡くなると、共有者はさらに増えていきます。
共有者が増えるほど意思決定は難しくなり、利害関係も複雑になります。最終的には「誰が共有者なのかわからない」状態になり、不動産の売却や活用が事実上不可能になることもあります。これは「所有者不明土地問題」とも呼ばれ、社会問題にもなっているのです。
法務省の調査では、所有者不明土地は全国で約410万ヘクタール(九州の面積とほぼ同じ)に上るとされ、その経済的損失は年間約1,800億円と推計されています。2024年4月からは相続登記が義務化されましたが、すでに共有状態が複雑化している不動産も多く存在します。
リスク⑤:兄弟間の人間関係が悪化する
上記のようなトラブルが重なると、最終的には兄弟間の人間関係が悪化します。「お金の問題」は人間関係を壊す最大の要因の一つです。
例えば、「兄は維持費を払わない」「弟は実家に勝手に住んでいる」「姉は売却に同意してくれない」といった不満が積み重なると、親の代から続いてきた兄弟の絆が壊れることもあります。
実際に、共有不動産のトラブルから兄弟が法廷で争うケースも少なくありません。せっかくの親の財産が、家族の分断を招くことになるのは悲しいことです。
これらのリスクを踏まえ、次のセクションでは実際にあった兄弟間の共有持分トラブル事例を紹介します。
実際にあった兄弟間の共有持分トラブル事例

ここでは、実際に起こった兄弟間の共有持分トラブルの事例を見ていきましょう。これらは実際の相談事例をもとにしていますが、プライバシー保護のため一部修正しています。
事例①:不動産売却で意見が対立
Aさん(45歳)とBさん(43歳)の兄弟は、5年前に父親から相続した実家(評価額2,000万円)を共有していました。Aさんは地方に住んでおり、空き家になっている実家を売却して現金化したいと考えていました。一方、Bさんは「いずれ実家に戻るかもしれない」と売却に反対していました。
Aさんは何度も説得を試みましたが、Bさんの同意を得られず、実家は空き家のまま放置されることになりました。固定資産税はAさんが全額負担し、5年間で約50万円を支払いました。さらに、空き家の管理費用も年間で約10万円かかっていました。
結果的に、Aさんは5年間で約100万円の出費を強いられることになり、Bさんとの関係も悪化してしまいました。最終的に、Aさんは弁護士に相談し、共有物分割請求訴訟を起こすことを検討しています。
事例②:一方の兄弟が勝手に不動産を占有
Cさん(50歳)とDさん(48歳)の兄弟は、母親から相続した土地(評価額1,500万円)を共有していました。相続後、特に話し合いをしないまま、Dさんが自分の子どものために土地の上に家を建て、住み始めました。
Cさんは最初こそ黙認していましたが、その後自分も経済的に苦しくなり、「土地の賃料を支払ってほしい」とDさんに要求しました。しかし、Dさんは「共有地だから自分も使用する権利がある」と主張し、賃料の支払いを拒否しました。
この対立は次第にエスカレートし、家族の集まりでも口論になるようになりました。結局、Cさんは弁護士に相談し、「持分に応じた賃料相当額の不当利得返還請求」という法的手続きを進めることになりました。この訴訟には約50万円の弁護士費用がかかり、兄弟の関係は修復不可能なほど悪化してしまいました。
事例③:固定資産税を払わない兄弟とのトラブル
Eさん(55歳)とFさん(53歳)の兄弟は、父親から相続した実家(評価額3,000万円)を共有していました。納税通知書はEさんに届くため、Eさんがいったん全額(年間約25万円)を支払い、後からFさんに半額(約12.5万円)を請求していました。
しかし、Fさんは3年前から「今は経済的に厳しい」という理由で支払いを拒否するようになりました。Eさんは何度も支払いを求めましたが、Fさんは応じず、連絡も取れなくなってしまいました。
3年間で約37.5万円の未払いが生じ、EさんはFさんに対して法的措置を検討しています。この問題により、Eさんの家族とFさんの家族の間にも溝ができ、親戚の集まりにもお互い出席しなくなりました。
事例④:相続時に発生した共有持分をめぐる争い
Gさん(60歳)、Hさん(58歳)、Iさん(55歳)の3人兄弟は、母親の死後、実家(評価額4,000万円)と預貯金(1,000万円)を相続することになりました。Gさんは「実家に住み続けたい」と主張し、Hさんは「実家を売却して現金を分けたい」と主張、Iさんは「どちらでもいいが、公平に分けてほしい」と考えていました。
3人は何度も話し合いましたが、意見がまとまらず、結局、預貯金はそれぞれ約333万円ずつ分け、実家は3人の共有(各3分の1ずつ)としました。しかし、この「とりあえずの解決」が後々のトラブルの原因となりました。
Gさんは実家に住み続けましたが、Hさんは「家賃を払うべき」と主張し、Iさんは当初は中立的でしたが、次第にHさんの意見に同調するようになりました。兄弟間の対立は深まり、最終的には家庭裁判所での調停に至りました。
これらの事例からわかるように、共有持分は様々なトラブルの原因になります。では、どうすればこうしたトラブルを避けられるのでしょうか。次のセクションでは、共有持分を避けるための事前対策を紹介します。
共有持分を避けるための事前対策

共有持分によるトラブルを避けるためには、そもそも共有状態にならないようにする対策が有効です。ここでは、相続が発生する前にできる4つの事前対策を紹介します。
対策①:遺言書の作成で共有状態を回避する
最も効果的な方法は、親が遺言書を作成しておくことです。遺言書があれば、法定相続分にとらわれず、不動産を特定の相続人に相続させることができます。
例えば、「長男に実家の土地と建物を相続させる」「長女に実家を相続させ、次女と三女には預貯金を相続させる」といった形で、不動産が共有状態にならないよう指定できるのです。
遺言書の作成方法には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言がありますが、最も確実なのは公正証書遺言です。公証役場で作成するため、形式不備による無効のリスクが低く、紛失の心配もありません。
公正証書遺言の作成費用は、遺産の額にもよりますが、一般的に5万円〜15万円程度です。この費用は、将来の兄弟間のトラブルを防ぐための「保険料」と考えれば、決して高くはないでしょう。
なお、2022年からは、法務局で自筆証書遺言を保管してもらえる「自筆証書遺言保管制度」も始まっており、費用は1通3,900円と比較的リーズナブルです。また、2024年からは、パソコンなどで作成した遺言書も自筆証書遺言として認められるようになりました。
対策②:生前贈与の活用
親が元気なうちに、不動産を特定の子に贈与してしまう方法もあります。「実家に住んでいる子」や「親の介護をしている子」に不動産を贈与し、他の子には別の財産を贈与するという方法です。
生前贈与のメリットは、親の意思を明確に伝えられること、そして相続発生前に所有権が移転するため、相続時のトラブルを避けられることです。
ただし、贈与税の問題があります。基礎控除額(年間110万円)を超える贈与には贈与税がかかるため、税理士などの専門家に相談しながら計画的に進める必要があります。
なお、相続時精算課税制度を利用すれば、60歳以上の親から20歳以上の子への贈与について、2,500万円まで非課税で贈与できる制度もあります。この制度を使えば、実家のような高額な不動産でも、贈与税の負担を抑えて生前に名義を移すことができます。
注意点として、贈与を受けた不動産は、相続の際に持ち戻し計算の対象になる点があります。また、親の判断能力が衰えてからの贈与は、後々「親が判断能力がなかったときの贈与だから無効」と他の相続人から主張される可能性もあるため、親が健康なうちに行うことが重要です。
対策③:家族信託の利用
近年注目されているのが「家族信託」という方法です。これは、親(委託者)が自分の財産の管理や処分を信頼できる子(受託者)に託し、将来的に特定の子(受益者)に財産を引き継ぐ仕組みです。
家族信託のメリットは、親の認知症などで判断能力が低下しても、受託者が適切に財産管理できること、そして将来の相続について細かく設計できることです。
例えば、「長男を受託者として不動産を管理してもらい、親の死後は次男に相続させる」といった柔軟な設計が可能です。
ただし、家族信託の設定には専門的な知識が必要で、費用も30万円〜100万円程度かかります。また、兄弟間の信頼関係がなければ、家族信託自体がトラブルの原因になることもあるため、慎重に検討する必要があります。
対策④:相続発生前の話し合いの重要性
遺言書や生前贈与、家族信託といった法的な対策だけでなく、親と子、そして兄弟間での「話し合い」も非常に重要です。親が元気なうちに、将来の相続について家族で話し合っておくことで、多くのトラブルを防げます。
具体的には、以下のような点について話し合っておくとよいでしょう:
- 親の財産の全体像(不動産、預貯金、保険など)
- 親の希望(誰にどの財産を引き継いでほしいか)
- 実家の今後(誰が住むのか、売却するのか)
- 親の介護を誰がどのように担当するか
こうした話し合いは、場合によっては専門家(弁護士、税理士、ファイナンシャルプランナーなど)に同席してもらうと、より建設的な議論ができます。
以上の対策は、相続が発生する前にできることです。では、すでに共有状態になってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。次のセクションでは、その解決方法を紹介します。
すでに共有状態になってしまった場合の解決方法

すでに兄弟間で不動産を共有している場合は、できるだけ早く共有状態を解消することが望ましいです。ここでは、5つの解決方法を紹介します。
解決法①:遺産分割協議で単独所有に変更
相続が発生してまだ遺産分割協議が済んでいない場合は、協議により不動産を特定の相続人の単独所有にする方法があります。法定相続分(兄弟が同じ割合で相続する)にとらわれず、相続人全員の合意があれば自由に分割方法を決められます。
例えば、兄弟2人で相続する場合、実家は兄が相続し、預貯金は弟が相続するといった分け方ができます。この場合、実家と預貯金の価値に差があれば、差額を現金で調整することも可能です。
遺産分割協議が成立したら、「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名・押印します。この協議書をもとに、不動産の名義変更(相続登記)を行います。
解決法②:不動産を売却して現金分割(換価分割)
共有不動産を売却し、売却代金を持分に応じて分配する方法です。この「換価分割」は、公平性が高く、兄弟間のトラブルを避けやすい方法と言えます。
売却手続きには、不動産会社への仲介依頼、価格の決定、買主の選定、売買契約の締結、決済・引き渡し、そして売却代金の分配という流れがあります。共有者全員の合意が必要なため、誰か一人が反対すると売却できません。
売却にかかる費用としては、仲介手数料(売却価格の3%+6万円+消費税)、印紙税、抵当権抹消費用、譲渡所得税などがあります。また、売却益が出た場合は譲渡所得税がかかる可能性もあるため、税理士に相談するとよいでしょう。
解決法③:特定の相続人が不動産を取得し代償金を支払う(代償分割)
共有者の一人が不動産全体を取得し、他の共有者に対して持分相当額の現金(代償金)を支払う方法です。「代償分割」と呼ばれるこの方法は、不動産に愛着や利用価値を感じる共有者がいる場合に適しています。
例えば、評価額2,000万円の実家を兄弟2人で共有している場合、兄が実家を取得し、弟に1,000万円の代償金を支払うという形になります。
代償分割のポイントは、不動産の「適正な評価額」の決定です。相続税評価額、公示価格、実勢価格など、様々な基準がありますが、共有者間で合意できる金額を設定することが重要です。評価額について意見が分かれる場合は、不動産鑑定士に依頼して鑑定評価書を取得するとよいでしょう(費用は10万円〜30万円程度)。
解決法④:土地を分筆して分割(現物分割)
土地の形状や面積によっては、物理的に分割して各共有者の単独所有とする「現物分割」も可能です。例えば、200平方メートルの土地を兄弟2人で共有している場合、100平方メートルずつに分けて、それぞれが単独所有するという方法です。
現物分割のメリットは、不動産を売却せずに共有関係を解消できることです。ただし、土地の形状や接道状況、建物の有無などによっては、公平な分割が難しいケースもあります。
また、分筆には土地家屋調査士への依頼が必要で、費用は20万円〜50万円程度かかります。さらに、分筆後の土地が建築基準法上の要件(最低敷地面積など)を満たさない場合は、分筆できないこともあります。
解決法⑤:自分の持分だけを売却して共有関係を解消
他の共有者との話し合いがうまくいかない場合は、自分の持分だけを第三者に売却する方法もあります。法律上、共有持分は他の共有者の同意なく自由に売却できます。
ただし、一般的な不動産市場では、共有持分だけを買いたいという購入者はほとんどいません。そのため、実際には「共有持分専門の買取業者」に売却するケースが多いです。
共有持分買取業者への売却価格は、不動産全体の価値の30%〜70%程度になることが多く、一般的な市場価格よりも低くなる傾向があります。例えば、評価額1,000万円の不動産の2分の1の持分(500万円相当)を売却する場合、実際の売却価格は150万円〜350万円程度になることもあります。
ただし、自分の持分を売却した後、買主が他の共有者に対して強引な交渉をするケースもあり、残された共有者とのトラブルになる可能性もあります。そのため、売却先の選定には慎重になる必要があります。
以上の方法のどれを選ぶかは、不動産の状況、共有者間の関係、経済的な条件など、様々な要素を考慮して決める必要があります。次のセクションでは、共有持分を売却する際の方法と注意点を詳しく見ていきましょう。
共有持分を売却する方法と注意点

共有持分を売却する方法には主に2つあります。他の共有者に売却する方法と、専門の買取業者に売却する方法です。それぞれの方法と注意点を見ていきましょう。
売却先①:他の共有者への売却
最もスムーズな方法は、他の共有者に自分の持分を買い取ってもらうことです。これにより、買い手となる共有者は持分割合を増やすことができ、最終的には単独所有になる可能性もあります。
例えば、兄弟2人で共有している場合、弟が兄の持分を買い取れば、弟の単独所有になります。この方法のメリットは、第三者が介入せず、あくまで兄弟間で解決できる点です。
売却価格は、基本的に「不動産全体の価値×持分割合」が基準になりますが、兄弟間の関係や経済状況などにより、柔軟に設定されることも多いです。
ただし、他の共有者に買取能力(資金力)がない場合や、買取る意思がない場合は、この方法は使えません。また、売却価格について折り合いがつかないケースも多いです。
売却先②:共有持分専門の買取業者への売却
他の共有者への売却が難しい場合は、共有持分専門の買取業者への売却を検討するとよいでしょう。これらの業者は、一般の不動産市場では売りにくい共有持分を買い取ってくれます。
共有持分買取業者のメリットは、他の共有者の同意なしに、比較的スピーディーに売却できる点です。通常、申し込みから2週間〜1ヶ月程度で売却が完了します。
ただし、売却価格は市場価格よりも低くなることが一般的です。また、買取業者の中には、買取後に他の共有者に対して強引な交渉をするところもあり、残された共有者とのトラブルになる可能性もあります。
業者選びのポイントとしては、以下の点を確認するとよいでしょう:
- 宅地建物取引業の免許を持っているか
- 会社の実在性(住所、電話番号、代表者名など)
- 過去の実績や口コミ評価
- 買取後の対応方針(他の共有者への対応など)
信頼できる業者を選ぶためには、複数の業者から見積もりを取り、条件を比較することが大切です。また、契約前に弁護士などの専門家に契約内容を確認してもらうとより安心です。
売却時の価格相場
共有持分の売却価格は、一般的な不動産売却と比べて低くなる傾向があります。これは共有状態という制約があるためです。具体的な相場としては、以下のような傾向があります:
- 他の共有者への売却:不動産全体の価値×持分割合の70%〜100%程度
- 買取業者への売却:不動産全体の価値×持分割合の30%〜70%程度
例えば、評価額2,000万円の不動産を兄弟2人で共有している場合(各持分は1,000万円相当)、他の兄弟への売却なら700万円〜1,000万円程度、買取業者への売却なら300万円〜700万円程度が相場となることが多いです。
ただし、これはあくまで目安であり、不動産の状態、立地、共有者の人数、他の共有者との関係性などによって大きく変動します。特に、共有者間の関係が悪い場合や、共有者が多い場合は、価格が下がる傾向にあります。
売却時の必要書類と手続き
共有持分を売却する際には、以下のような書類と手続きが必要になります:
必要書類
- 権利証または登記識別情報
- 印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
- 実印
- 固定資産税評価証明書
- 固定資産税納税証明書
- 住民票
- マイナンバー確認書類
手続きの流れ
- 買主との売買契約締結
- 手付金の受け取り
- 決済・引き渡し
- 所有権移転登記
所有権移転登記は、司法書士に依頼するのが一般的です。費用は1万円〜5万円程度かかります。
売却後のトラブル回避のポイント
持分を売却した後も、残された共有者とのトラブルを避けるためには、以下のポイントに注意しましょう:
買主の人柄や方針の確認:買主が他の共有者に対してどのような対応をするつもりなのか、事前に確認しておくことが大切です。特に買取業者の場合、「他の共有者に強引な交渉をしない」という確約を得ておくとよいでしょう。
残された共有者への事前説明:可能であれば、持分を売却する前に他の共有者に説明しておくことをおすすめします。突然第三者が共有者になると、残された共有者は不安やショックを感じることがあります。
売却後の責任範囲の明確化:売却後も、売却以前に発生した固定資産税や管理費の未払い分についての責任が残る場合があります。契約書でこれらの責任範囲を明確にしておきましょう。
以上の点に注意すれば、共有持分の売却によるトラブルをある程度回避できます。しかし、それでも解決しない場合は、法的手続きである「共有物分割請求」を検討することになります。次のセクションでは、この手続きについて説明します。
共有物分割請求とは?法的解決の最終手段

他の解決方法がうまくいかない場合の最終手段として、「共有物分割請求」という法的手続きがあります。これは、裁判所に対して共有状態の解消を求める手続きです。
共有物分割請求の仕組み
共有物分割請求は、民法第256条に基づく権利で、共有者はいつでも共有物の分割を請求することができます。ただし、5年を超えない期間内は分割しない旨の契約(共有物分割禁止特約)がある場合は、その期間中は請求できません。
共有物分割請求は、まず裁判所での調停から始まります。調停で合意できなければ、訴訟に移行します。調停・訴訟の申立先は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所です。
分割方法には主に以下の3種類があります:
- 現物分割:不動産を物理的に分割する方法
- 換価分割:不動産を売却して代金を分配する方法
- 代償分割:一部の共有者が不動産を取得し、他の共有者に金銭を支払う方法
裁判所は、これらの方法の中から最も適切なものを選択します。一般的には、物理的に分割可能で、分割後も各土地が有効利用できる場合は現物分割、それ以外の場合は換価分割か代償分割が選ばれることが多いです。
なお、2023年4月の民法改正により、共有物分割に関するルールが一部変更され、所在不明共有者がいる場合の分割手続きが簡素化されました。裁判所による分割が現実的でない場合は、共有者の持分価格の過半数で、特定の共有者に不動産を取得させることもできるようになっています。
裁判所による分割方法の決定プロセス
裁判所は、以下のような要素を考慮して分割方法を決定します:
- 不動産の形状や性質
- 各共有者の持分割合
- 各共有者の不動産の使用状況
- 各共有者の経済状況
- 分割方法についての各共有者の希望
例えば、一方の共有者が不動産に居住している場合、裁判所はその共有者が不動産を取得し、他の共有者に代償金を支払う「代償分割」を選ぶことがあります。また、どの共有者も不動産を取得する意思がない場合は、「換価分割」が選ばれることが多いです。
必要な費用と時間
共有物分割請求には、以下のような費用と時間がかかります:
費用
- 調停申立費用:数千円〜1万円程度
- 訴訟費用(訴額に応じて):数万円〜数十万円程度
- 弁護士費用:着手金20万円〜50万円程度、成功報酬20万円〜50万円程度
期間
- 調停:3ヶ月〜1年程度
- 訴訟:1年〜2年程度
共有物分割請求は、費用も時間もかかる手続きです。そのため、できれば他の解決方法を尽くしてから検討するのがよいでしょう。
メリット・デメリット
共有物分割請求のメリットとデメリットは以下の通りです:
メリット
- 最終的に共有状態を確実に解消できる
- 裁判所の判断により公平な解決が期待できる
- 話し合いが進まない状況を打開できる
デメリット
- 費用と時間がかかる
- 裁判所の判断が必ずしも希望通りにならない
- 兄弟間の関係がさらに悪化する可能性がある
共有物分割請求は「最終手段」と考え、まずは話し合いや専門家の助言を通じて解決を目指すことをおすすめします。次のセクションでは、共有持分トラブルを防ぐための専門家相談について説明します。
共有持分トラブルを防ぐための専門家相談

共有持分のトラブルを防いだり解決したりするためには、専門家のアドバイスが非常に役立ちます。ここでは、どのような専門家に相談すべきか、そのポイントを紹介します。
相談すべき専門家(弁護士・司法書士・税理士など)
共有持分の問題は、法律、税金、不動産など様々な側面があります。そのため、問題の内容によって相談すべき専門家が異なります。
弁護士:法的なアドバイスや交渉、裁判手続きなどが必要な場合に相談します。例えば、共有者間でトラブルが発生している場合、共有物分割請求を検討している場合などは、弁護士に相談するのが適切です。
司法書士:不動産の名義変更(相続登記、売買による所有権移転登記など)が必要な場合に相談します。また、遺産分割協議書の作成支援なども行っています。
税理士:共有持分の売却に伴う譲渡所得税や、相続・贈与に関する税金の相談をする場合に適しています。特に、生前贈与や相続時精算課税制度を検討する場合は、税理士のアドバイスが不可欠です。
不動産鑑定士:共有不動産の適正な評価額を知りたい場合に依頼します。特に、代償分割を検討している場合や、共有持分を売却する場合の参考になります。
行政書士:遺言書の作成支援や、家族信託の契約書作成などを依頼できます。
問題が複合的な場合は、複数の専門家に相談したり、総合的なサポートを提供する「相続専門の法律事務所」などに相談するとよいでしょう。
専門家へ相談する際のポイント
専門家に相談する際は、以下のポイントに注意するとより効果的です:
事前準備:相談前に、現在の状況や問題点を整理しておきましょう。また、不動産の登記簿謄本、固定資産税評価証明書、相続関係を示す戸籍謄本など、必要な書類を用意しておくとスムーズです。
複数の専門家に相談:特に重要な判断をする前は、複数の専門家に相談して意見を比較することをおすすめします。専門家によって得意分野や考え方が異なる場合があります。
質問リストの作成:相談前に聞きたいことをリストアップしておくと、限られた時間を有効に使えます。
総合的な視点:法律面だけでなく、税金や家族関係など、総合的な視点からアドバイスをくれる専門家を選ぶとよいでしょう。
相談費用の目安
専門家への相談費用の目安は以下の通りです:
弁護士
- 初回相談料:無料〜1万円程度
- 顧問契約:月額1万円〜5万円程度
- 共有物分割請求の着手金:20万円〜50万円程度
- 成功報酬:解決金額の10%〜20%程度
司法書士
- 相談料:無料〜5,000円程度
- 相続登記:1件あたり5万円〜15万円程度
- 遺産分割協議書作成:3万円〜10万円程度
税理士
- 相談料:無料〜1万円程度
- 相続税申告:20万円〜50万円程度
- 譲渡所得税の申告:5万円〜15万円程度
不動産鑑定士
- 不動産評価:10万円〜30万円程度
費用は地域や事務所によって異なりますので、事前に確認することをおすすめします。また、初回相談を無料で提供している事務所も多いので、活用するとよいでしょう。
総合的なサポートを受けるメリット
共有持分の問題は、法律、税金、不動産など様々な側面があるため、総合的なサポートを受けるメリットが大きいです。例えば、以下のようなメリットがあります:
ワンストップサービス:複数の専門家が連携して対応してくれるため、自分で異なる専門家を探して調整する手間が省けます。
一貫した戦略:法律面、税金面、不動産評価など、様々な要素を総合的に考慮した戦略を立ててもらえます。
長期的な視点:目先の問題解決だけでなく、将来的なリスク回避も含めたアドバイスが期待できます。
心理的なサポート:家族間のトラブルは精神的にも負担が大きいものです。専門家は法的・経済的なアドバイスだけでなく、精神的なサポートも提供してくれることがあります。
相続や共有持分の問題は、一度解決すれば長期間にわたって安心が得られます。その意味で、専門家への相談費用は将来の安心を買うための「投資」と考えることもできるでしょう。
まとめ:兄弟間の共有持分トラブルを防ぐための3つのポイント

ここまで、兄弟間の共有持分のリスクとトラブル回避法について詳しく解説してきました。最後に、兄弟間の共有持分トラブルを防ぐための3つの重要なポイントをまとめます。
ポイント①:早期の共有状態解消が重要
共有状態は、時間が経つほどトラブルのリスクが高まります。兄弟の結婚や転居、経済状況の変化、さらには次の世代への相続など、様々な要因でトラブルが発生しやすくなるのです。
そのため、共有状態になったらできるだけ早く解消することが重要です。「今は仲が良いから大丈夫」と思っていても、状況は変わりうるものです。特に、すでにトラブルの兆候がある場合は、早急に対策を講じることをおすすめします。
具体的には、遺産分割協議での話し合い、換価分割(売却して現金分割)、代償分割(一方が不動産を取得し他方に現金を支払う)、現物分割(物理的に分割)、持分の売却など、状況に応じた方法で共有状態を解消しましょう。
ポイント②:書面による取り決めの重要性
共有状態を続ける場合でも、口頭の約束だけではなく、必ず書面で取り決めを交わしておくことが重要です。これにより、「言った・言わない」という争いを防ぎ、万が一トラブルが発生した場合も解決の指針になります。
具体的には、以下のような内容を書面化しておくとよいでしょう:
- 各共有者の持分割合
- 固定資産税など費用の負担方法
- 不動産の使用方法(誰がどのように使用するか)
- 将来的な売却についての方針
- 共有者が亡くなった場合の持分の扱い
弁護士や司法書士などの専門家に依頼して、法的に有効な内容で作成してもらうことをおすすめします。
ポイント③:感情的にならず専門家に相談する
兄弟間の共有持分トラブルは、単なる財産問題ではなく、感情的な要素も大きく絡んできます。子どもの頃からの関係性や、親に対する思いなどが影響して、冷静な判断が難しくなることも少なくありません。
そのため、トラブルが発生した場合や、トラブルの予防策を考える場合は、感情的にならず、専門家に相談することが重要です。専門家は中立的な立場から、法律や税金、不動産評価などの専門知識に基づいたアドバイスをしてくれます。
また、専門家が間に入ることで、兄弟間の直接的な対立を和らげる効果もあります。「弁護士からこう言われた」という形で提案すれば、感情的な反発を受けにくくなるケースもあります。
共有持分のトラブルは、適切に対処すれば解決可能です。この記事を参考に、早めの対策を講じて、兄弟間の大切な関係を守りながら、財産問題を解決していただければ幸いです。
よくある質問(Q&A)
最後に、共有持分に関するよくある質問とその回答をまとめました。
Q1:共有者の一人が固定資産税を支払わない場合はどうすればいい?
A: 共有者の一人が固定資産税を支払わない場合は、以下の対応が考えられます:
- まずは話し合いで解決を試みる
- 内容証明郵便で支払いを請求する
- 少額訴訟や民事調停を利用する
- 弁護士に依頼して法的措置を検討する
また、固定資産税の納税通知書の宛先変更を市区町村に申請することも検討できます。ただし、滞納が続くと不動産全体に滞納処分(差押えなど)がかかる可能性があるため、早めの対応が重要です。
Q2:兄弟の一人が連絡不能の場合、共有不動産を売却できる?
A: 兄弟の一人が連絡不能の場合、基本的には共有不動産全体を売却することはできません。ただし、以下の方法が考えられます:
- 不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立て、その管理人を通じて売却の同意を得る
- 共有物分割請求訴訟を起こし、裁判所の判断で換価分割(売却して分配)してもらう
- 自分の持分だけを第三者に売却する
不在者財産管理人の選任には10万円〜30万円程度の予納金が必要で、手続きにも数ヶ月かかります。専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
Q3:共有持分の売却価格はどのように決まる?
A: 共有持分の売却価格は、以下の要素によって決まります:
- 不動産全体の評価額
- 持分割合
- 共有状態による減価(ディスカウント)
- 買主の属性(他の共有者か第三者か)
- 共有者間の関係性
- 不動産の使用状況
一般的には、「不動産全体の評価額×持分割合×(1-ディスカウント率)」で計算されます。ディスカウント率は、他の共有者への売却なら0〜30%程度、第三者(買取業者など)への売却なら30〜70%程度が一般的です。
適正な価格を知るには、不動産鑑定士の評価や、複数の買取業者からの見積もりを参考にするとよいでしょう。
Q4:兄弟間で共有不動産の使用方法で意見が対立した場合の解決法は?
A: 兄弟間で共有不動産の使用方法について意見が対立した場合は、以下の解決法が考えられます:
- 話し合いによる合意形成(必要に応じて専門家を交えて)
- 持分に応じた「使用賃借契約」の締結
- 共有物分割(現物分割、換価分割、代償分割など)
- 持分の売却による共有関係の解消
- 調停・裁判などの法的手続き
特に、一方の兄弟が不動産を独占的に使用している場合は、「賃料」の支払いが争点になることがあります。公正な解決のためには、不動産の適正賃料の評価や、各兄弟の貢献度(管理や修繕への寄与など)も考慮する必要があります。
Q5:共有持分の相続登記は必須?費用はどれくらい?
A: 2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続開始を知った日から3年以内に相続登記をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
共有持分の相続登記にかかる費用は主に以下の通りです:
- 登録免許税:固定資産税評価額×持分割合×0.4%
- 司法書士報酬:5万円〜15万円程度
例えば、固定資産税評価額2,000万円の不動産の2分の1の持分を相続する場合、登録免許税は4万円(2,000万円×1/2×0.4%)程度、司法書士報酬は5万円〜15万円程度で、合計9万円〜19万円程度かかります。
相続登記は、トラブル防止の観点からも早めに済ませることをおすすめします。特に、共有持分の場合は権利関係がより複雑になるため、専門家に依頼して確実に手続きを進めるとよいでしょう。
今すぐ実行できる3つのアクション

共有持分のトラブルを解決・予防するために、今すぐ実行できるアクションを3つご紹介します。これらのステップを踏むことで、将来の大きなトラブルを未然に防ぎ、家族の絆を守りながら問題を解決できるでしょう。
この記事を読んで「自分も共有持分でトラブルになりそう」「すでにトラブルが起きている」と感じた方は、以下の3つのアクションをすぐに実行してみてください。
アクション1:共有不動産の権利関係を確認する
まずは、現在の権利関係を正確に把握することが重要です。法務局で「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得し、以下の点を確認しましょう:
- 共有者は誰か、持分割合はどうなっているか
- 抵当権などの担保権が設定されていないか
- 相続登記はきちんとされているか
登記事項証明書は、法務局窓口のほか、インターネットでも請求できます(オンライン申請システム)。費用は1通600円程度です。
また、市区町村役場で「固定資産税評価証明書」も取得しておくと、不動産の評価額がわかり、今後の検討に役立ちます(費用は300円〜500円程度)。
これらの書類を入手して内容を確認することで、現状を正確に把握し、今後の対策を考える基礎ができます。
アクション2:共有者全員で話し合いの場を設ける
共有持分のトラブルは、まずは話し合いで解決を図ることが基本です。共有者全員で集まる機会を設け、以下の点について話し合いましょう:
- 不動産の今後の利用方法
- 維持管理費用の負担方法
- 将来的な売却などの方針
- 共有状態を解消する可能性
話し合いの前に、自分の考えをまとめておくことが大切です。また、感情的にならず、冷静に話し合うよう心がけましょう。
話し合いがまとまったら、その内容を「確認書」などの形で書面化し、共有者全員が署名・押印するとよいでしょう。これにより、後々の「言った・言わない」というトラブルを防げます。
アクション3:専門家に相談する
共有持分の問題は法律や税金など専門的な知識が必要です。早めに専門家に相談することで、適切な対策を講じることができます。
相談先としては、以下のような選択肢があります:
- 弁護士(法的なアドバイス、交渉、裁判手続きなど)
- 司法書士(登記手続き、遺産分割協議書作成支援など)
- 税理士(税金対策のアドバイスなど)
- 不動産鑑定士(適正な評価額の算定など)
多くの専門家は初回相談を無料または低額で提供しているので、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。相談する際は、登記事項証明書や固定資産税評価証明書などの資料を持参すると、より具体的なアドバイスが得られます。
専門家のアドバイスを受けることで、自分では気づかなかった解決策や注意点が見つかることも多いです。早めの相談が、将来の大きなトラブルを防ぐことにつながります。
以上の3つのアクションを実行することで、共有持分のトラブルを未然に防いだり、既に生じているトラブルを解決したりする第一歩を踏み出すことができます。兄弟間の大切な関係を守りながら、財産問題を適切に解決していきましょう。
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