「定期借家契約」という言葉を聞いたことはありますか?普通の賃貸契約と比べると聞き慣れない言葉かもしれません。定期借家契約は契約期間が決まっていて更新ができないため、知らないで契約すると後悔する可能性もあります。
この記事では、定期借家契約のデメリットと実際の後悔エピソードを混じえて詳しくお伝えし、契約前に確認すべきポイントをわかりやすく解説します。
一通り知識を身につけることによって、不動産取引で失敗するリスクを減らせるのでぜひ最後までお読みください。
私は現在都内で不動産会社を経営しています。もちろん宅建士資格も保有しているため、プロの視点で解説していきます。
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定期借家のデメリット
定期借家にはいくつかのデメリットがあります。これらを理解しておくことで、「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクを減らせます。
契約終了後に必ず退去しなければならない
普通借家契約の場合、契約満了後も更新が可能で、長期間同じ住居に住み続けることができます。しかし、定期借家契約では、契約期間が終了すると基本的には退去が求められます。
- 再契約が可能な場合もありますが、これは貸主(大家さん)の同意が必要です。貸主側が「再契約をしない」と判断した場合、契約期間終了後に確実に退去しなければなりません。
- 影響を受ける点
- 長期的な生活計画が立てづらい。
- 学区や通勤距離を考えて物件を選んでいる場合、予定が狂う可能性がある。
例:2年間の契約を結んだ後、子供の学校の関係でそのまま住み続けたかったが再契約が断られ、他の物件を急いで探す必要に迫られた。
定期借家の期間内に必ず引っ越すと決まっている場合はそこまでデメリットがありませんが、どうしても定期借家の期間以上に住まなければならない事情がある場合はリスクが大きいです。
中途解約が難しい
普通借家契約では、比較的柔軟に中途解約が可能ですが、定期借家契約では契約期間内に解約することが原則として認められていません。転勤や介護などの「やむを得ない事情」がある場合に限り、中途解約が可能なこともありますが、それでも条件が厳しいケースがあります。
- 解約できないリスク
- 隣人トラブルが発生しても、すぐに引っ越すことができない。
- 契約後に「この物件が合わない」と感じても我慢せざるを得ない。
例:隣人の騒音がひどくても、中途解約が認められず、ストレスを抱えながら契約満了まで住むことを余儀なくされた。
- 違約金の請求 中途解約が可能でも、残りの契約期間分の家賃を一部または全額支払う必要がある場合があります。違約金が予想以上に高額になることも
再契約時の条件変更リスク
再契約できる場合でも、家賃や契約期間が大幅に変更されることがあります。例えば、最初は安い家賃だったのに再契約時に大幅な値上げを提示されることも。
- 例:初めは家賃10万円だったが、再契約時に15万円を提示された。
後悔の原因になる予期せぬ費用
途中解約が認められても、残りの契約期間の賃料や違約金を請求されることがあります。こうした費用が重くのしかかり、金銭的な負担が大きくなることも。
- 例:半年分の家賃をまとめて請求された。
- 注意:契約書をよく確認し、違約金の有無を確認しましょう。
転居や生活設計の自由度が下がる
定期借家契約では、契約期間が決まっているため、長期的な生活設計を考えるのが難しくなります。
- 生活への影響
- 家族がいる場合、頻繁な引っ越しが子供の学校や生活リズムに影響を与える。
- 契約終了が近づくたびに、次の住まいを探す負担が生じる。
例:親の介護が必要になり実家近くに移りたかったが、契約期間中は住み続ける義務があり、早期退去できなかった。
普通借家と定期借家の違いについては以下の記事でも詳しく解説していますので、ご参考ください。
関連記事:【保存版】普通借家VS定期借家!契約の違いとお得な選び方を解説!
実際の後悔エピソード
ここでは、実際に定期借家契約で後悔した人々のエピソードを紹介します。
突然の退去命令
30代の夫婦が2年の定期借家契約で入居。家賃が相場よりも安く、設備も良好だったため契約しました。2年後、再契約を希望したものの「親族が住む予定がある」と断られ退去を余儀なくされました。短期間で次の住居を探す必要があり、引っ越し費用もかさみ大きな負担となりました。
- ポイント:再契約が約束されていない場合、突然の退去リスクがあります。
隣人トラブルに苦しむ
50代男性が定期借家契約で入居後、隣人の深夜の騒音に悩まされました。契約期間中に引っ越しを検討しましたが、違約金として残りの期間分の家賃を請求される可能性が高く、断念。騒音に耐えるしかなく、ストレスで体調を崩してしまいました。
- ポイント:中途解約が難しいため、トラブル対応力が必要です。
再契約時に条件が悪化
40代の女性が契約満了後に再契約を希望しましたが、家賃が大幅に値上げされ、再契約を断念。次の住居を探すのに時間がかかり、仮住まいに一時的に移ることに。想定外の費用が発生し、結果的に損をする形になりました。
- ポイント:再契約条件が貸主に有利になる場合があります。
定期借家で後悔しないためのポイント
定期借家契約を選ぶ際には、契約後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために事前の確認と準備が重要です。ここでは、リスクを最小限にするための具体的なポイントを詳しく解説します。
契約書を徹底的に確認
定期借家契約では契約書がすべてといっても過言ではありません。貸主と借主の権利や義務、契約終了後の対応など、あらゆる条件が契約書に明記されています。
- 再契約の条件を確認する
契約終了後に住み続けたい場合、再契約が可能かどうかは貸主次第です。「再契約が可能」という場合でも、具体的な条件(家賃の変更、手数料の有無など)を文書で明確にしてもらいましょう。 - 中途解約の条件を確認する
転勤や親族の介護などのやむを得ない事情が発生した際、中途解約が認められるか確認してください。また、中途解約の際に違約金が発生するか、発生する場合の金額も事前に把握しておきましょう。 - 契約終了の通知期間
契約終了の1年前~6ヶ月前に貸主から退去通知が行われることが一般的ですが、契約書で正確な通知期間を確認しておきましょう。
短期利用目的であるかを見極める
定期借家契約は、長期的な住まいには不向きです。契約終了時に必ず退去が求められるため、以下のようなケースに適しているかを検討してください。
- 適しているケース
- 短期転勤の予定がある。
- マイホーム完成までの仮住まいを探している。
- 学生や単身赴任者など、一定期間だけの居住が必要。
- 不向きなケース
- 子どもの学校や通勤の利便性を考慮して、同じ場所に長期間住みたい。
- 短期間での引っ越し準備や費用負担を避けたい。
判断基準
短期的な住まいであれば、定期借家契約のメリット(家賃の安さや良質な物件)を活かせます。しかし、長期居住が前提であれば普通借家契約を選ぶのが賢明です。
再契約の可能性を交渉
定期借家契約では、再契約の可否が貸主の裁量に委ねられています。再契約の条件を明確にすることが後悔を防ぐ重要なポイントです。
- 交渉のタイミング
契約前に再契約の可能性について貸主や不動産会社に確認しましょう。再契約条件を文書で残すことで、後から条件が変更されるリスクを防げます。 - 再契約の条件を明記
- 家賃が変動する可能性。
- 再契約手数料の有無。
- 契約期間の長さ(再契約後の期間が短すぎないか)。
注意点
再契約が可能だとしても、確実に保証されるわけではありません。貸主側の都合で再契約が断られる可能性もあるため、代替プランを検討しておくと安心です。
まとめ:定期借家契約を選ぶ前に考えるべきこと
定期借家契約には、家賃の安さや短期利用の便利さなどメリットもありますが、契約更新や中途解約の難しさ、条件変更リスクなど、後悔につながる要素も少なくありません。自分のライフスタイルに合っているかをしっかり考え、慎重に判断することが重要です。
不明点がある場合は、不動産会社や専門家に相談し、契約前に納得できる情報を手に入れるようにしましょう。後悔しない選択をするための一歩です!
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