賃貸物件の空室はオーナーにとって大きな悩みの種です。空室が続けば家賃収入が途絶え、ローン返済や管理費の負担が重くなります。とはいえ誰でも大掛かりなリフォームや高額な設備投資をするほど余裕があるわけではありません。
実は、たった1万円の投資で空室対策をすることも十分に可能です。今回は、低コストながら効果的な空室対策を厳選し、具体的なアイデアを紹介します。すぐに実践できる内容ばかりなので、ぜひ試してみてください。

私自身、現在不動産会社を経営しており、不動産オーナーとしての経験もあります。実体験をもとに、具体的にどういった空室対策をすればいいか実用的な方法を解説します。
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空室対策に1万円を使うべき理由
早速ですが、まずはじめに空室対策に1万円を使う理由について解説します。
理由はおもに4つあります。
低コストで入居率を上げられる
空室対策で大規模なリフォームや設備の導入をするとなると高額な費用がかかりますが、1万円以内でも物件の印象を改善できる方法は多くあります。
賃貸経営は以下に少ない金額に抑えて満室経営していくのかが重要です。少額でも効果の高い対策を行うことで、費用対効果の高い空室対策が可能になります。
入居希望者の第一印象を良くする
内見時の第一印象が悪いと、どんなに条件が良くても入居にはつながりにくいものです。部屋探しをする人の立場で見たら、いかにも放置されている物件よりもきちんと手入れされている物件に好印象を抱くのは火を見るよりも明らかです。
特に照明の明るさや清潔感、空間の雰囲気など、視覚や嗅覚に影響を与えるポイントを改善することで、入居希望者の印象を大きく変えることができます。
空室期間を短縮できる
空室期間が長引くほど、収益の損失が大きくなります。1万円の小さな投資で物件の魅力を向上させ、早期成約につなげることができれば、結果として大きな利益につながります。

空室対策というと大掛かりなリフォームや家賃の減額をイメージする人もいますが、気軽に始められるものもたくさんあります。まずは空室の原因を追究し、効果的な対策を考えていくことが重要です。詳しくは以下の記事でも解説していますのでご参考ください。
関連記事:【オーナー必読!】空室対策のプロが教える効果抜群のアイデア集
1万円でできる空室対策アイデア集
ここからは1万円でできる空室対策について具体的に紹介します。
設備は商品によっては1万数千円のものもありますが、そこは切り捨てで考えていただければ幸いです。
設備を見直す
賃貸で部屋が決まるには設備が重要なポイントです。【これが決め手!】賃貸の人気設備ランキング!設備導入のメリットや注意点も解説!でも解説していますが、賃貸の人気設備でから逆算して取り入れていくのがいいでしょう。ランキング上位のエアコンは値段が高いですが、エアコン以外にも安く導入できる設備はあります。具体的に解説します。
照明
照明が暗いと、部屋全体が古びた印象になり、内見者に良い印象を与えません。LED電球に交換するだけで、部屋の明るさが増し、清潔感や広がりを感じさせる効果があります。
- LED電球:1,500円~3,000円程度
- デザイン性のあるシーリングライト:5,000円~8,000円程度
特に、温かみのある「昼白色」や「電球色」を選ぶと、部屋の雰囲気がグッと良くなります。1万円前半でかなり性能が良いものが手に入るにでおすすめです。

TVインターホン
TVインターホンは人気設備ランキングでも上位の設備です。
1万円台で購入でき、型落ちや中古のもので安く探せばより安く購入することもできます。いままでは女性やカップルなどの利用者が多かったですが、最近ではAmazonやウーバーイーツの普及から、男性の利用者も増えてきています。
もはやTVモニターホンがなければ他の物件に見劣りしてしまうともいえるくらい重要な設備です。
ウォッシュレット
ウォッシュレットも人気設備の上位にランキングする設備です。
値段も1万円台で購入できますし、頻繁に交換する消耗品ではないのでコストパフォーマンスも良い設備です。積極的に導入を検討していきましょう。
スマートキー
最近ではスマートキーを導入するマンションも増えてきました。スマートキーというと新築のマンションというイメージもありますが、築年数が古いマンションに導入することもできます。
もし既存の鍵が古い場合はスマートキーに交換するのも選択肢の一つになります。
センサー付きカメラ
セキュリティカメラは人気設備の上位にはないものの、人によっては重要視される設備です。
特に女性の単身者にはカメラがないという理由で入居を見送る方も少なくありません。カメラは1台あたり1万円以内でも探せますし、カメラがあるマンションというだけで犯罪の抑止にもつながります。
カメラも頻繁に交換するものではないのでコスパが良い設備です。
物干し竿
物干し竿も値段の割に入居者に喜ばれる設備です。バルコニー用の物干し竿だけではなく、最近では室内物干し竿があらかじめ備え付けられている物件も増えてきました。
女性の場合はバルコニーで洗濯物を干すのに抵抗があったり、女性でなくとも乾燥機を使ったり、外で干すと汚れが気になる人は室内で干すことが多いです。
天井物干しといってもさまざまな種類があります。ファミリータイプだけではなく、コンパクトタイプもあります。物件のターゲットによって使い分けていくのもおすすめです。

洗濯収納
洗濯収納といっても大掛かりな棚ではなく、突っ張り棒のように簡単に設置できるものもあります。値段も数千円あれば簡単に設置できため、少しでも申し込み率を上げたい場合は取り入れて損はありません。
もちろん、自分の好きな収納を設置したい人もいるので、そういった場合は希望者のみに設置するという方法もあります。

シャワーヘッド
シャワーヘッドは意外と交換しないオーナー様が多い設備です。安いものだと数千円から設置できます。シャワーヘッドを交換するだけでも浴室の雰囲気はガラッと変わります。
特に築年数が古かったり、シャワーヘッドの消耗が激しい場合はケチらずに交換した方が部屋が決まる可能性がグンと上がります。
タオルハンガー・タオルホルダー
タオルハンガーとタオルホルダーは後付けで簡単に設置できるものがあります。
タオルハンガーとタオルホルダーの2つを合わせても1万円以内でお釣りが来ます。水回りの使い勝手を良くすると、印象が良くなりますし、必ず使うものなどで、コスパが良い設備です。

日用品や家電のプレゼント
ちょっとした日用品や家電のプレゼントをするのも効果的です。
「家電はちょっと金額が大きい」というイメージがありますが、1万円出せば十分に喜んでもらえるものをプレゼントできます。
- タオルセット
- トースター、電子レンジ
- 掃除機
- 加湿器
- Amazonエコー
- エアフライヤー
もちろん全部プレゼントしなくてもよく、いくつか候補を提示してその中から選んでもらうという方法も有効です。

ちなみに私の場合は、画像のように日用品を揃えて現地に置いておきました。引越しで日用品を揃えるのは意外と手間がかかるので、最低限必要なものをプレゼントするだけでも喜ばれます。

金額の多い少ないではなく、オーナーが気遣ってくれているという事実が重要です。さまざまなことに配慮して募集活動していれば「ここのマンションは何かあった場合でもしっかり対応してくれる」と安心感をもってもらうことができます。
室内の装飾
設備にPOPを貼り付けたりウェルカムボードや間取り図、メジャーなど内見に来た人の印象が良くなるように工夫することです。
もちろん、工夫したからといって確実に決まるとは限りませんが、同じような条件の物件があった場合は、印象が良い方が決まりやすいです。できることから取り入れていくことが空室対策には重要です。


プチリフォーム
リフォームというと床やクロスを全部張り替えるなど、大掛かりな工事を思い浮かべる人もいると思いますが、プチリフォームは簡単にすぐできるリフォームです。お金はリフォームほどかかりませんが、コストパフォーマンスは良いので取り入れる価値は大きいです。
小物インテリアで生活をイメージしやすくする
空室のままでは、入居希望者が生活のイメージを持ちにくいものです。ちょっとした小物を置くだけで、雰囲気が大きく変わります。
- カーテンの設置(3,000円~6,000円)
- ちょっとしたインテリア(時計、クッションなど)
- フェイクグリーンや造花の配置(2,000円~5,000円)
- 立ち鏡の取り付け
アクセントクロスやリメイクシートでおしゃれな印象に
壁紙が古びていると、どうしても物件が古臭く感じられてしまいます。一面だけアクセントクロスを貼ることで、おしゃれな印象にすることが可能です。
- アクセントクロス:3,000円~6,000円
- リメイクシート(DIY可能):2,000円~5,000円
必要な道具もカッターと定規くらいで自分で簡単に施工できるため、コストを抑えつつ印象を大きく変えられます。
ニオイ対策で第一印象を良くする
部屋に入った瞬間のニオイも、内見者の印象を左右します。カビ臭やタバコ臭が残っていると、入居希望者は敬遠してしまいます。以下のような方法で消臭対策をしましょう。
- エアコンのフィルター清掃(1,000円程度)
- 消臭スプレーの使用(1,500円程度)
- アロマディフューザーや消臭剤の設置(2,000円程度)
特に柑橘系の香りは、清潔感を与えるのでおすすめです。
玄関・共用部の簡単なリフレッシュ
入居者が最初に目にする玄関は、物件の第一印象を決定づける重要なポイントです。以下のアイテムを取り入れて、玄関の印象を良くしましょう。
- 玄関マットの新調(1,500円~3,000円)
- ドアノブの修理・交換(3,000円~5,000円)
- 人工観葉植物や装飾品の設置(1,000円~2,500円)
バーチャルホームステージング
ホームステージングは入居後のイメージをもってもらうために物件に家具や家電を設置することです。
実際に導入するとなると数万円かかりますが、バーチャルステージングは合成で実際に設置するわけではないのでコストもかなり抑えられます。
サービスやプランによって費用は変わりますが、1万円前後で導入できるサービスもあります。また、クラウドソーシングサービスでも1万円前後で写真を送ればバーチャルステージングしてくれます。
ネット集客も工夫していきたい人にとってはバーチャルホームステージングはコスパの良い施策です。
まとめ
最後にまとめです。
たった1万円の投資でも、ちょっとした工夫で空室対策が可能です。
- 照明の交換で部屋を明るくする
- アクセントクロスやリメイクシートで印象を変える
- 消臭対策で快適な空間を作る
- 玄関や共用部のリフレッシュで第一印象を良くする
- 小物インテリアを活用して生活感を演出
低コストながらも効果抜群の方法を活用し、空室期間を短縮しましょう!
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