ここ数年、建設費の高騰や実質賃金の低下が原因で、住宅業界でも消費者の購入意欲が低下しています。
大和ハウス工業も利益率が1%と苦戦を強いられ、戸建住宅事業の方針転換を進めています。
今回は大和ハウスの今後の方針について詳しく解説していきます。
これから大和ハウスを購入しようと思っている人や、ハウスメーカーを探している人だけではなく、不動産市況について学びたい方にとって役立つ内容となってますのでぜひ最後までご覧ください。
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戸建て住宅市場について
まずはじめに、戸建ての住宅市場について解説します。
近年、戸建て住宅市場は建設費の高騰に加え、物価上昇による実質賃金の低下で、消費者の住宅購入マインドは低迷しています。実際の統計でも持家着工数は2021年12月以降、29カ月連続で前年比割れとなっており、業界全体で対応を迫られています。
業績でも苦戦している企業が増えてきています。
増減益別では、増益が51社(44.3%)、減益が64社(55.6%)で、2期連続で減益企業が増益企業を上回りました。価格転嫁が進んだものの、ターゲット顧客や営業エリアなどにより明暗がわかれました。今後は市場に応じて自社の商品をどのように合わせていくかによって業績が変わってきそうです。
大和ハウスの海外展開は?
大和ハウス工業はこれまでM&Aなどにより、海外市場にも力を入れてきました。
2017年2月には、米国東海岸で戸建住宅事業を展開するスタンレー・マーチン社を子会社化。2020年2月には米国西海岸でトゥルーマーク社、2021年9月には米国南部のキャッスルロック社、2024年には賃貸住宅事業を行うアライアンス・レジデンシャル社」も子会社化するなど、経済が好調な米国の東部、南部、西部を結ぶスマイルゾーンを軸に事業を拡大しています。
2024年に子会社化したアライアンス・レジデンシャル社は、当社グループが注力するスマイルゾーンを中心に全米16州39都市圏をカバーする19拠点において、米国で最大級の賃貸住宅不動産の開発・建設・取得を手掛ける非上場企業です。
こういった海外での買収効果もあり米国の住宅市場で売上は順調に推移し、2022年度の戸建て住宅事業の売上高8763億円のうち4301億円を海外市場が占めました。
大和ハウス国内の状況
大和ハウスの国内の状況についてです・
2023年度の国内住宅事業は請負3424棟、分譲1760棟、営業利益は36億円にとどまりました。今後は国内での収益回復に向け、特に分譲住宅に力を入れ、25年度には請負3000棟、分譲4000棟。27年度には請負3000棟、分譲7000棟、計1万棟の販売棟数達成を目指しているようです。
大和は5年前までは販売棟数1万棟を維持していたが、この5年間で半減してしまいました。大和ハウス単体の住宅事業は赤字が続いていて、収益拡大に向け、特に分譲住宅事業を強化する予定のようです。
今後の注文住宅は、従来の注文住宅の受注棟数を維持しつつ、高額商品の投入に力を入れ、さらに住宅プランから選ぶ規格住宅やフルオーダーと規格の中間に位置するセミオーダーを強化する体制づくりに着手する予定です。
社員1人あたりの売上高は、現在住宅部門が1番低いため、設計の人員をマンションや非住宅など生産性の高い部門に移しました。部門の人員を減らしながら、効率的に分譲設計のノウハウを集約する狙いです。これによって、分譲住宅の施工はすべてグループ会社の大和ランテックに依頼することになります。
施工を任せ、大和本社が販売に専念する仕組みを作ることで、品質向上と生産性向上を図るというのが意図のようです。
分譲から木造住宅を強化
脱炭素化に向けてさまざまなハウスメーカーが木造商品に力を入れる中、大和も分譲事業の分野から木造住宅を強化していく考えです。23年10月から木造分譲商品「Comfort Wood」の建設を推進しています。
一部では飯田GH、オープンハウスグループなど、大手戸建分譲住宅メーカーに設計、施工を依頼するなど合理的で、収益性の高い分譲事業を進めてます。
また、分譲住宅と高額注文住宅のあいだも充実させています。新たに規格商品・セミオーダー商品の住まいを「Smart Made Housing(スマートメイドハウジング)」としてリブランディングし、提供をスタートしました。
家づくりを効率的に行うことで、コストを節約し、統一単価を実現し、良質でリーズナブルな住宅を提供しています。公式サイトを見ると、間取り1300プラン、外壁13、インテリア10のパッケージから自由に選択できるようになってます。
分譲住宅と合わせて、住宅一次取得者へのアプローチを強化していく計画です。
役員報酬は?
ここで余談ですが、大和ハウスの役員報酬について調べてみました。
役員報酬が3億円以上という資料が出てきました。
ちなみに1位はオープンハウス社長の5.7億、2位はタマホームの5億、3位は飯田グループの3.6億です。上場企業の中ではオープンハウス社長が47位でした。
今後の大和の業績によって役員報酬がどう変動していくのかも興味深いです。
大和ハウスの具体的な商品内容
ここからは現在、大和ハウスがどういった商品を提供しているのか価格・コーディネート・間取りについて解説します。
納得価格の統一坪単価
まずは価格についてです。
物価が高騰し、住宅建築の資材費や人件費も上がっています。大和ハウスの規格住宅・セミオーダー住宅は、家づくりを効率的に行うことでコストを節約した統一坪単価を採用しています。間取りを選ぶと価格も一目で分かるため、「総額がわからないので計画がたてにくい」など家づくりのよくある悩みも解決し、安心して家づくりを進められます。
コーディネート
大和ハウスは規格住宅・セミオーダー住宅であるにもかかわらず、外壁13パッケージ、インテリア10パッケージの選択肢からお客さまのお好みでカスタマイズが可能です。プロがコーディネートしたパッケージのため、どれを選んでも美しく仕上がります。えらべる間取り約1,300プランと掛け合わせると15万通り以上の組合せから選択できます。
厳選した人気の間取り
大和ハウスがこれまで建ててきた何万件ものデータベースの中から、直近2年の人気間取りを厳選し、「いい家づくりのノウハウ」をパッケージ化しました。建築士の英知が詰まった厳選のラインアップから、好きな間取りを選べます。さらにセミオーダー住宅は間取り変更可能です。
厳選された間取りの中から、自分たちが住みやすい家をセレクトできます。外装・内装・住宅設備は、プロが厳選したパッケージから選び、VRでカラーシミュレーションしながら、好みの住まいに仕上げられます。

大和ハウスの公式サイトではさらに詳しく商品のラインナップが見れます。また、住宅展示場も開催しているので、少しでも興味がある方は足を運んでみるのがおすすめです。
今後の予想
大和ハウスは国内では分譲住宅とオーダーメイドの中間にシフトしていく予定です。
筆者としては良く言えば融通が効く、悪く言えば中途半端な方向だと思います。
また、国内でも力を入れていくと言ってるものの、本音は国内の事業を残しつつも、本命は海外事業の拡大していきたいと考えていると思っています。実際のところ、既に米国の複数の住宅事業会社を子会社にしたことからも大和の本気度が高いことがわかります。
国内は人口減少や賃金減少という流れのため住宅だけではなく全体が厳しくなってきます。大和ハウスが今後国内市場で展開していくためには商品だけではなく、チャットボットや建築現場などAI活用を本格的に進め生産性を上げていくことも重要な課題でしょう。
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