かぼちゃの馬車を外資が購入?経緯やどういった影響があるのか解説します。

※この記事にはプロモーションが含まれています。

中西諒太
監修者
静岡県出身。城都不動産株式会社 代表取締役。宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/住宅ローンアドバイザー/日商簿記検定2級|賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理会社にて勤務後、独立。現在はWEBメディア運営と不動産賃貸業を経営。
会社のホームページはこちら>
公式ラインはこちら>
メルマガ登録はこちら>
YouTubeチャンネルはこちら>
お問い合わせはこちら>

こんにちは、城都不動産の中西です。

今回は「かぼちゃの馬車」という一世を風靡したシェアハウスビジネスとその後の展開について詳しく解説していきます。

中西諒太

かぼちゃの馬車については利害関係者が多く、かなりリサーチに手間がかかりました^^;
いつもの記事の倍以上は大変だったのでぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです!

目次

ニュースの概要

米ウォーバーグがローンスターからシェアハウス1115棟をまとめて取得。同社が日本の賃貸住宅を取得するのは初めてで、不動産投資を本格化しています。

ウォーバーグとは?

1966年に設立されたアメリカ・ニューヨークを本拠地とするグローバルなプライベート・エクイティ(未公開株)投資会社です。 ​同社は、アメリカ、ヨーロッパ、ブラジル、中国、東南アジア、インドなど世界各地にオフィスを構えています。

立以来、プライベート・エクイティ、リアルエステート、キャピタル・ソリューション戦略を通じて、1,000社以上の企業に投資を行ってきました。 ​同社の投資先は、消費財、エネルギー、金融サービス、ヘルスケア、工業・ビジネスサービス、不動産、テクノロジーなど、多岐にわたるセクターに及んでいます。

ウォーバーグは都内にある18階建てのオフィスビル「品川シーサイドウエストタワー」も取得した。

ウォーバーグは1994年にアジア市場に参入し、260社を超える企業に320億ドル(約4兆7900億円)近くを投資してきた。

2024年4月時点で、ウォーバーグ・ピンカスは約900億ドルの資産を運用しており、アクティブなポートフォリオには220社以上の企業が含まれています。 ​同社は、成長投資に特化した戦略を採用し、世界中の企業とパートナーシップを築いてきました。

中西諒太

ChatGPTに聞いたら画像のような回答が返ってきました。

ちなみに創業者はドイツのユダヤ系の資本家で、ナチス迫害を受け、エリックがニューヨークに会社を作り、それを創業者のライオネル・ピンカス氏がバイアウトを行い設立。
その後20年以上にわたり、小規模な投資会社として活動を続けエリックが引退後会社の経営権はライオネル・ピンカス(Lionel Pincus)に渡り、同社はウォーバーグ・ピンカスに名称変更された。

ウォーバーグ購入の理由

今回、ウォーバーグがかぼちゃの馬車を購入してのは日本に期待して投資したというのが主な理由です。

日本の不動産市場は、為替の円安や欧米などに比べて引き続き低い金利などを背景に、海外投資家からの資金流入などで取引が活発化している。

特に首都圏の成長に期待していて、日本への外国人流入というテーマにも当てはまるとのこと。今後10年間東京の人口は国内外の若い就労者や学生の流入により増加を続け、 手頃な価格で良質な賃貸住宅に対する大きな需要を生み出すと予測しています。

現在に至るまでの経緯

ここからはかぼちゃの馬車が現在に至るまでの経緯について解説していきます。

かぼちゃの馬車事件についてのおさらい

かぼちゃの馬車事件とは、
2018年ごろに起きたシェアハウス投資のトラブルです。

悪の元凶「スマートデイズ」という会社が、「毎月安定して家賃がもらえる」とうたって、多くの会社員にシェアハウス投資を勧めました。

でも実際は入居者が集まらず、会社は家賃を支払えなくなって倒産

投資した人たちは何千万円もの借金だけが残ってしまった――という大きな不動産投資トラブルです。

シャアらぶより引用

かぼちゃの馬車の利害関係者の相関図

かぼちゃの馬車の利害関係者の相関図

話は少し遡ります。スルガ銀行がスマートデイズに融資をストップし、スマートデイズが破綻しました。

その後は米投資ファンドのロースターが債権を購入。子会社の三好不動産と業務提携をしてかぼちゃの馬車から「TOKYOβ」と名前を変更し運営しました。

90%以上稼動とありましたが、「TOKYOβ」のサイトを見たら空室の物件が多数・・・・(黒い部分のマークが満室。あとは空室です。ほとんどが空室物件なのがわかります。)

何を根拠に90%以上なのか疑問です・・・。

公式サイトより引用

かぼちゃの馬車のクオリティ

狭い

4畳半もありません。BUMP OF CHICKENのプラネタリウムだって4畳半はあります。

風呂、トイレ、洗濯機が共同で5万円・・・しかも掃除は週1とのこと。

ただし、一般的なシェアハウスと同様、ベッドや冷蔵庫などの必要設備が既に用意されており、インターネット代や光熱費が無料、敷金・礼金・仲介手数料がかからないというメリットがあります。

2~3畳に仕切って貸し出すいわゆる「脱法ハウス」の一歩手前です。全盛期だった当時、建築基準法ギリギリで建てられた「かぼちゃの馬車」は主にお金がない上京したての女性をターゲットにして、もの凄い勢いで建築されていきました。(月に50棟も建築していた時期があると言われています)

当時はタレントも起用してCMをやってたほどでした。

オリコンニュースより引用

駅から遠い物件ばかり

かぼちゃの馬車改め「TOKYOβ」のサイトを見ると、結構駅から遠い物件がチラホラ。

徒歩15分以上かかる物件も少なくありません。首都圏で徒歩15分超えは電車を使う人にとってはかなりきつい。

運用についての疑問

今回ウォーバーグが購入したわけですが、運用で利益がでるのか、収支が合うのか疑問です。

というのも、まずいくらで買い取ったのかわかりません。

単体だとそこまで旨味がないように思う。単体というのは入居者からの家賃収入のみで利益がそこまで出るのかということです。

別の部分でマネタイズというのも考えられます。

たとえば、かぼちゃの馬車でもあったように入居者から家賃を一切貰わなくても、職業斡旋により斡旋先の企業から収益を得たり、提携企業のサービスを利用した際のマージンといった、家賃外収入でサブリース賃料の保証をするというサイクルです。

実際にスマートデイズは2015年に有料職業紹介事業の許可を取っていました。職業斡旋が主な収益源なので、入居者の滞在率が低い方が都合が良いとしていました。(職が決まって退去して、新たに入居した人に職を斡旋するというサイクルが成り立つため)

スマートデイズ社の社長が出版した「家賃0円・空室有でも儲かる不動産投資」に、下記のような説明図が掲載されています。

シャアらぶより引用

かぼちゃの馬車という魔法をかけているだけで、実態は狭い部屋に押し込めて職業斡旋するという、タコ部屋と同じ仕組みです。

家賃が高く立地が悪いので空室率が高く(今年1月の空室率は一時66%)、入居者への職業斡旋ビジネスは月に数百万程度しか利益が出ていなかったと言われています。紹介手数料は正社員の場合、年収の20%~30%が相場なので、年収300万でも60万~90万の報酬が入るため、いかに職業斡旋ビジネスが上手くいかなかったかが伺えます。

実際のスキームは職業斡旋などのマージンではなく、建築会社からのキックバックを原資にサブリースする、というスキームで売上を上げていました。

シャアらぶより引用

まず「利回り8%、30年間家賃保証」という謳い文句で営業をし、土地の購入と「かぼちゃの馬車」建設のため、スルガ銀行へ億単位の融資をオーナーにしてもらいます。

「かぼちゃの馬車」はスマートデイズの下請けが建築し、相場より高い値段で建物と土地をオーナーに購入させます。この際に下請けの建築会社からコンサル料という名目で50%のキックバック(紹介料)を受け取ります。

そして建設された「かぼちゃの馬車」をスマートデイズが一括で借上げを行い、入居者の募集やシェアハウスの賃貸管理を代行し、入居者の賃料と建築会社からのキックバックを原資に、オーナーに家賃を保証する、というのが実際のスキームでした。

建物は5000万程度で建築されていたため、キックバックだけで2500万を報酬として受け取っていたようです。土地とセットで販売していたため、オーナー側の負担は1億を超えるケースが多いようでした。(実際の不動産価値は6000万程度)

1棟建築するだけで数千万のキックバックが発生するため、次々と都内にかぼちゃの馬車を建てまくり、それらで得た収益をサブリース賃料の原資とする自転車操業なビジネスモデルだったのです。(800棟管理しているため、平均5000万のキックバックがあったとすると400億の売上となる)

他の可能性としては別の建物(ホテルやもっと良いマンション)に建て替える。それとも土地?)というのも考えられます。いずれにしても今後どのように利益を上げていくのかは気になるところです。

今後について

入居者が外国人中心になる可能性もあります。実際のところ、TOKYOβは外国人も積極的に受け入れています。

今後はこういった受け入れがさらに拡大する可能性もあります。そうなると外国人によるトラブルが懸念されます。収益をどのように上げていくのかだけではなく、運用についてもみていきたいところです。

まとめ

最後にまとめです。

「かぼちゃの馬車」は、「30年間家賃保証、利回り8%以上」という甘い言葉で多くのオーナーを集めましたが、実際には持続不可能なビジネスモデルでした。その後、外資系投資会社に買収されるという展開は、日本の不動産市場における外国資本の存在感の高まりを示しています。

不動産投資において重要なのは、魅力的な数字だけで判断せず、ビジネスモデルの持続可能性や物件の本質的な価値を見極めることです。「美味しい話には裏がある」という教訓を改めて思い起こさせる事例といえるでしょう。

今後も不動産市場の動向について、当ブログでは情報を更新していきます。ご意見やご質問があれば、コメント欄にお寄せください。

コメント

コメントする

目次