賃貸経営を安定させるためにもっとも重要なのが空室対策です。空室が埋まらない期間が長引けば、それだけ収益が減り、経営の安定性が損なわれてしまいます。空室の原因を理解し、効果的な対策を取るのは、賃貸経営を成功させるための重要なポイントです。
この記事では、空室対策の基本から応用までを幅広く紹介します。賃貸物件のオーナーとして、どのようにすれば空室を減らし、入居者を確保できるのかを具体的に解説します。ぜひ最後までお読みください。
私自身、現在不動産会社を経営しており、不動産オーナーとしての経験もあります。実体験をもとに、具体的にどういった空室対策をすればいいか実用的な方法を解説します。
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空室問題の原因を理解しよう
まずは空室が発生する原因を知ることが大切です。原因を特定することで、効果的な対策をする道筋が見えてきます。
空室が発生する主な理由
空室が発生する理由は様々です。環境など自分ではコントロールできないものから、努力すれば改善できることもあります。何が起きていれば原因を把握すればどういった空室対策をすればいいのか次の行動に繋げられます。
賃料設定のミスマッチ
まず一番の原因は賃料設定です。賃料が地域の相場よりも高すぎると、入居希望者は同じエリア内で条件の良い物件を選んでしまいます。また、適正価格であっても、周辺の競合物件に比べて目立つ魅力がなければ、入居者を獲得するのは難しくなります。
設備や内装の老朽化
次は設備や内装の老朽化です。築年数が古い物件ほど老朽化が原因で空室が続くことが多いです。設備が古かったり、内装に時代遅れの印象があると、見学時に悪い印象を与えてしまいます。例えば、古いユニットバスや傷んだフローリングがあると、候補から外されることがあります。
また、TVインターホンや宅配ボックスなど新しい設備を場合によっては追加していく必要もあります。予算のバランスを見ながら改善していきましょう。
競合物件との比較劣勢
同じエリアで、より新しくて条件の良い物件が多い場合、競争力が低下します。特に、築浅物件やリフォーム済みの物件が多いエリアでは、古い物件が選ばれにくくなります。
都心など賃貸需要が多いエリアであれば何もしなくても決まる可能性がありますが、地方などそもそも賃貸需要が少ないエリアでは対策を取らないと厳しいでしょう。特にこれからはますます人口減少が進んでいくので、いまのうちに何かしらの対策をとっていくことが重要です。
入居者ニーズの変化
最近では、インターネット環境やセキュリティ設備が重視されています。単身者向け物件では高速Wi-Fi完備が求められることも多く、こうした設備がない物件は敬遠されることがあります。
得に築年数が古い物件は設備全体が昔のままで、それだけでも敬遠されます。最新設備といってもTVインターホンやウォッシュレットは比較的コストを抑えて追加することができます。まずは予算がかからず効果が高いものから取り入れていくのがおすすめです。
自分の物件の課題を把握する方法
空室の原因を特定するためには、以下の手順が役立ちます。
地域の市場調査を行う
周辺物件の賃料や設備を確認して、自分の物件が競争力を持っているかを評価します。例えば、不動産ポータルサイトで「同じ間取り・エリアの物件」を検索し、比較してみましょう。
自分の物件が周辺と比べ明らかに劣っているようであれば改善の余地はあります。
不動産会社の意見を聞く
賃貸市場の専門家である不動産会社の担当者に相談することで、地域の傾向や具体的な改善点を教えてもらえます。特に客付に強い不動産会社なら何が原因で部屋が決まらないのか把握しています。管理を任せる前提であれば積極的に相談に乗ってもらいやすいです。
空室対策に強い管理会社については別の記事でも解説していますのでご参考ください。
関連記事:空室対策に強い賃貸管理会社5選!空室対策のアイデアも紹介
退去者のフィードバックを集める
退去理由を直接聞くことは、物件の問題点を把握するうえで非常に有益です。「駅から遠い」「設備が古い」などの意見をもとに改善策を考えましょう。
退去者によってはフィードバックで改善策を取れば退去を取り消してくれることもあります。フィードバックを受けること自体はリスクがかからないので積極的に意見を集めましょう。
空室対策の基本アイデア3選
空室対策を進める際は、まず基本的な取り組みから始めましょう。具体的なアイデアを3つ紹介します。
①賃料設定の見直し
地域の相場と自分の物件の条件を比較して、賃料が適正であるかを確認します。賃料を下げるだけでなく、以下のような工夫を加えることで競争力を高めることができます。
礼金を減額またはゼロにする
初期費用を軽減することで、入居希望者の心理的なハードルを下げられます。礼金をなくすことで、若い世代の入居希望者を呼び込むことができます。
管理費を含む総額で競争力を高める
賃料だけでなく、管理費を含めたトータルの費用が魅力的であることが大切です。
期間限定のキャンペーンを行う
「3か月間の賃料半額」や「初月無料」といったキャンペーンは、短期間での入居者確保に有効です。
②物件の魅力アップ
物件の第一印象は、内覧時に決まります。内装や設備を整えることで、入居希望者に良い印象を与えることが可能です。
内装リフォーム
古びた壁紙や汚れた床材を新しくするだけで、物件全体の印象が大幅に改善します。特に、水回りのリフォームは効果的です。
リフォームだけではなく、日用品のプレゼントや設備にポップアップを貼り付けるなども内見に来た人の印象が良くなるので効果的です。
設備の充実
エアコン、独立洗面台、Wi-Fi完備など、現代のニーズに合った設備を導入することで、他の物件との差別化を図れます。
こちらは賃貸の設備のランキングをまとめた資料になります。
自身の物件で足りない設備から導入を検討していきましょう。
共用部の清掃
空室の物件は共用部が汚れていることが少なくありません。
階段、共用廊下、ゴミ置き場、エレベーター、掲示板、宅配ボックス、駐輪場。
せっかく部屋が綺麗でも、共用部が荒れているせいで申し込みが入らなかったケースは何度も見てきました。共用部が汚かったり荒れているのは管理会社の怠慢ですが、文句を言ったところで空室が改善されるわけではありません。
共用部は少し掃除しただけでも大きく印象が変わるので、物件も見に行って改善の余地があるところから進めていきましょう。
管理会社が共用部まで対応してもらえない場合は管理替えも検討しましょう。
関連記事:【賃貸オーナー様必見!】管理会社の5つの役割とは?失敗しない選び方も解説!
③効果的な広告・PR方法
物件の良さをしっかり伝える広告戦略も重要です。2019年9月に株式会社リクルート住まいカンパニーが発表した『2018年度 賃貸契約者動向調査』によると、新しく部屋探しをしている人の不動産会社店舗への訪問数は平均1.5店舗、物件見学数は平均2.8件と、ともに過去最少になってます。
賃貸仲介会社に行く前に自分でインターネットを利用して部屋探しをする人は引き続き増加傾向なので賃貸ポータルサイトやSNSを活用して、物件情報を魅力的に発信しましょう。
写真や動画を活用
プロのカメラマンによる撮影や、室内を360度見渡せるバーチャルツアーを取り入れることで、内覧希望者を増やすことができます。ポータルサイトだけではなく、インスタを中心にSNSからの紹介で部屋が決まることも珍しくありません。
また、撮影した写真は次の募集時のときにも使えるので、綺麗なことに越したことはありません。
目立つ掲載プランを利用
賃貸ポータルサイトでは、特定の条件で目立つように表示される有料プランを活用するのも効果的です。SUUMOにはスマピクやパノラマのオプションがあるため、自分の物件にはどういったオプションを使うのが効果的か仲介会社にヒアリングしてみるといいでしょう。
セレクション | 「こだわりから探す」導線として、様々なテーマを用意。ユーザーの気づきのきっかけとなります。 |
物件おすすめピックアップ | 物件一覧画面レコメンドコーナーに、貴社おすすめ物件を表示します。ユーザーの目に留まりやすく、短期間での効果UPが見込めます。 |
スマピク | スマホ最適化サイトと、スマホアプリの物件一覧画面に上位出しできるPR広告枠です。物件検索結果一覧画面のファーストビューに表示することで、カスタマーとの出会いの機会を増やします。 |
物件パノラマ | 手軽な操作で物件の全体感を能動的に把握できる商品です。実際の内見に近い物件情報を伝えることで、成約確度の高いカスタマーの反響・来店を促すことができます。 |
空室対策の応用アイデア
基本的な取り組みに加えて、少し踏み込んだ応用策を取り入れることで競争力をさらに高めることができます。
①特典やキャンペーンの活用
入居希望者に「お得感」を与える工夫をしましょう。
フリーレント
入居初月や最初の数か月分の家賃を無料にするフリーレントは、特に費用面で初期負担を抑えたい入居者に効果的です。この施策は競合物件との差別化にもなり、短期間での空室解消が期待できます。
仲介手数料のオーナー負担
初期費用を軽減できるため、若い単身者や学生に人気です。入居者が負担する仲介手数料をオーナーが負担することで、初期費用を軽減し、入居希望者の決断を後押しできます。
家具や家電付きプラン
冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどを備えた家具・家電付きのプランを提供することで、特に単身者や学生層のニーズに応えられます。家具や家電を選ぶ際は、実用性とデザイン性を両立させることがポイントです。
②入居条件の柔軟化
ターゲット層を広げるために、条件を見直すことも有効です。
ペット可物件への変更
ペットを飼える物件は、通常の物件よりも需要が高い傾向にあります。ペット用設備の導入(ペット用の床材や壁紙)も併せて検討すると良いでしょう。
外国人や高齢者向け対応
英語や多言語対応の契約書を用意する、地域の外国人コミュニティと連携するといった方法で、外国人入居者を呼び込む環境を整えましょう。文化の違いを理解し、柔軟な対応を心がけることが重要です。
③ターゲット層を広げる工夫
物件の立地や特徴に合わせて、特定のターゲット層にアピールする方法を考えます。
学生向けの割引プラン
大学近くの物件では、学生限定の割引や、初期費用の軽減キャンペーンが効果的です。また、家具付きプランも学生に好評です。
高齢者向けのバリアフリー対応
高齢化社会を背景に、バリアフリー対応の物件は需要が高まっています。段差をなくしたり、手すりを設置したりするだけでも、高齢者にとって住みやすい物件になります。
成功事例から学ぶ空室対策
空室対策に成功したオーナーの事例を参考にするのも有効です。たとえば、内装を「おしゃれなカフェ風」にリフォームして若い世代からの注目を集めたケースや、ペット可物件に変更して空室がゼロになった事例などがあります。こうした成功例には、ターゲット層の明確化とそれに応じた対策が共通しています。
また、定期的に賃料を見直し、地元の需要に合った価格設定を行うことで、空室期間を大幅に短縮した事例もあります。競合物件との差別化を徹底することが成功の鍵です。
まとめ
空室対策は、賃貸経営を安定させるために欠かせない取り組みです。原因を特定し、物件の魅力を高め、ターゲット層に合った対応を行うことで、空室を大幅に減らすことができます。
まずは基本の賃料設定や内装改善から始め、特典やキャンペーン、ターゲット層の拡大といった応用策も積極的に取り入れましょう。この記事で紹介したアイデアを活用して、空室対策を進めましょう。
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